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専門知識で熊本城復旧支え 応援職員から唯一の転職

 専門知識を生かし熊本城再建を支える下高大輔さん(3月、熊本市)=共同

2016年4月の熊本地震で損壊した熊本城(熊本市)の復旧には、各地の自治体などから30人近くの職員が応援のため派遣され、知恵を出し合ってきた。滋賀県彦根市教育委員会の職員だった下高大輔さん(39)は応援職員からただ1人転職を決意。20年から熊本市の熊本城調査研究センターの一員となり考古学の専門知識を生かしながら再建を支えている。

彦根市教委で彦根城などの文化財保護に携わってきた。地震後に熊本城を視察し、被害の大きさに圧倒された。志願し18年からのセンター応援職員になった。

熊本市は「地震前に戻す」ことを復旧方針に工事を進めている。発掘や史料の調査結果から、文化財として価値の高い石垣の修復方法を検討するのが下高さんの役割だ。修復ではいったん解体して元通りに組み直す方法が採用された。ただ今回は石垣の約3割が被災し、50カ所で崩落するなど損傷規模が大きく、前例のない大工事となった。

一方、工事の過程で史料では分からなかった内部構造が次第に明らかになってきた。近世に築かれた部分は基礎の構造が他の城と共通しており、熊本城での修復は難工事だが、その知見を全国の城の保全に生かせることが分かった。

「第三の天守」とも呼ばれる宇土櫓(やぐら)など、13の国指定重要文化財をはじめとする文化財の大半は、築城当時の趣を守りながらの慎重な作業が求められるため、全体の復旧は37年ごろまでかかる見通しだ。

応援職員のため任期が終われば戻ることになっていたが、より長く復旧に関わりたいと感じるようになった。家族が滋賀で帰りを待っている。転職には迷いもあった。だが「熊本城の復旧を記録して情報を発信することが、全国の城を守ることにつながる」と考え、熊本に一家で移住することを決めた。

「復興のシンボル」である天守閣は既に修復が完了し、今月26日からは内部も見学できるようになる。「悲しいと言うばかりでは前に進まない。復興していく熊本城の姿を多くの人に見てほしい」と話した。〔共同〕

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