日本アムウェイに6カ月の一部取引停止命令 消費者庁
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消費者庁は14日、健康食品など日用品を販売する「日本アムウェイ」(東京・渋谷)に対し、商品の購入を強要するといった勧誘活動が特定商取引法違反にあたるとして、一部取引停止命令を出したと発表した。期間は6カ月。同社への行政処分は初めて。
特商法に違反したと認定したのは、連鎖販売取引(マルチ商法)で、社名を明かさず勧誘したり、商品購入を断った消費者に何度も買うよう迫ったりするなどの行為。同庁は会社に対し、新規会員の勧誘行為や契約の締結など業務の一部を停止するよう命じた。現会員の商品購入などは可能となっている。
同庁によると、遅くとも2021年3月以降、マッチングアプリで知り合った消費者に対し、社名や会員勧誘の目的を告げず、化粧品の購入を強要したケースを確認した。このほか、22年1月には「女子会をしよう」などと食事に誘い、契約締結を促す目的を伏せて同社製の商品を手渡し、イベントへの参加を求める行為も確認。同年2月にも、会員に勧誘することを隠したまま交流を深め、突然「アムウェイをやってみないか」と誘う事例もあったという。
同庁によると、日本アムウェイに関して2019年度から21年度までに全国の消費生活センターに844件の相談が寄せられたという。22年度は9月15日時点までで109件だった。
日本アムウェイは1979年から営業を始めた。同社のホームページによると、2020年の売上高は約975億円。
「厳粛に受け止め、再発防止対策講じる」 日本アムウェイ
日本アムウェイは14日、処分を受けて「厳粛に受け止めている。コンプライアンスの徹底などを通じ、実効性のある業務改善と再発防止対策を講じる」とのコメントを発表した。