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サイバー犯罪摘発最多、国内外で身代金要求型 警察白書

(更新)

警察庁は20日、2021年版の警察白書を公表した。20年に全国の警察が摘発したサイバー犯罪の摘発件数は9875件で過去最多を更新した。国内外でランサムウエア(身代金要求型ウイルス)などの脅威が高まっているとして、捜査力を高めるため、組織改正や外国捜査機関との連携強化を進めるとした。

20年に摘発が急増したのは、不正なウイルスでメールアカウントのパスワードを盗み取るなどの「コンピュータ・電磁的記録対象犯罪」だった。563件に上り、19年より約3割増えた。インターネット上での「詐欺」も1297件と前年より320件増えた。

新型コロナウイルス下のテレワークを狙ったサイバー攻撃も相次いでいるとした。オンライン会議を狙い、企業内のシステムに侵入する事例などを紹介した。

21年版白書は被害が深刻化するランサムウエアを取り上げ、「世界的に問題となっている」と指摘した。攻撃側は盗み出した機密情報を暴露しない代わりに、高額の金を求める。横行する背景にコンピューターウイルス、身代金を要求する手口に関する情報が闇サイト上で売買されている実態があると分析した。

ランサムウエアを巡っては、国内では20年にゲーム大手カプコンなどが被害に遭い、データと引き換えに身代金を要求された。

海外では今年5月に米石油パイプライン大手が攻撃を受けた。一時稼働を停止する事態に追い込まれるなどして、攻撃側に暗号資産(仮想通貨)で440万ドル(約4億8000万円)相当を支払ったとされる。ブラジルの食肉大手JBSも北米などで工場が止まり、1100万ドル(約12億円)相当を支払った。

白書では、捜査上の課題についても言及した。全国の警察の担当部門を対象に調査した結果、発信元を隠す「通信匿名化技術」(37%)、日本警察の捜査権が及ばない「海外サービスの悪用」(30%)などが挙がった。

手口が巧妙化するなか、捜査技術と解析力を高める必要性を指摘した。警察庁は22年度にも重大なサイバー犯罪を直接捜査する「直轄隊」とそれを指揮監督する「サイバー局」を新設。人工知能(AI)を駆使した不正プログラムの分析や、海外機関などと連携強化を進めるとした。

国家レベルの関与が疑われるサイバー攻撃が相次いでいる実態も報告。宇宙航空研究開発機構(JAXA)など約200の企業や研究機関が狙われた攻撃に絡み、4月に警視庁公安部が中国共産党員の男を書類送検した事件は「中国軍が関与している可能性が高い」と明記した。

このほか東日本大震災発生から10年の節目に合わせた特集を紹介した。大規模災害を念頭に、警察本部や警察署の耐震化率向上や民間事業者のドローン活用など、災害対策の強化を目指すとした。東京五輪・パラリンピックに向けたテロや交通対策、新型コロナ下での警察行政のデジタル化なども取り上げた。

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