勝興寺、国宝指定へ 名古屋テレビ塔は重要文化財に

文化審議会は12日、江戸時代後期を代表する寺院建築の勝興寺(富山県高岡市)の本堂・大広間を国宝に、名古屋テレビ塔(名古屋市)など9件を重要文化財に指定するよう永岡桂子文部科学相に答申した。テレビ塔の重文指定は初。近く答申通り告示され、建造物の重要文化財は2557件(うち国宝230件)となる。
勝興寺は浄土真宗の寺院で、本堂は1795年、大広間は17世紀中期に建立された。本山に準じる真宗寺院として全国屈指の規模を誇り、信仰拡大の拠点となるなど文化史的な意義も深いと評価された。

名古屋テレビ塔は国内初の集約電波塔として1954年に完成した。東京タワーや大阪・通天閣も設計し「塔博士」と呼ばれた故内藤多仲氏が最初に手がけたテレビ塔で、当時日本一の高さ(約180メートル)だった。現在は電波塔の役割を終え、塔内にホテルやレストランが開業している。
文化審議会はこのほか、明治期に造られ今も現役の尻屋埼灯台(青森県東通村)、経ケ岬灯台(京都府京丹後市)、鍋島灯台(香川県坂出市)の3灯台を重要文化財に指定するよう答申。「しょうゆ発祥の地」として知られる和歌山県湯浅町にある老舗蔵元角長の主屋や醸造施設群の指定も求めた。〔共同〕