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若手採用し長い目で育成 初の独法、天王寺動物園の挑戦

母親の「イッちゃん」に寄りかかるホッキョクグマの赤ちゃん「ホウちゃん」(3月、大阪市の天王寺動物園)=共同

1915年の開園以来、大阪市営だった天王寺動物園が、4月から動物園で初めての地方独立行政法人に移行した。快適な環境で飼育する「アニマルウェルフェア(動物福祉)」が国際的な潮流となる中、20~30代の飼育員や獣医師12人を迎え入れた。人材養成に加え、「人気動物」の維持へ飼育スペース拡大も計画する。

今春入園した山田修平さん(左)がイグアナに餌を与える様子を見守る飼育員の河合芳寛さん(4月、大阪市の天王寺動物園)=共同

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言で臨時休園していた4月29日。イグアナの展示室の水場を、今春入園した山田修平さん(25)がデッキブラシでこすっていた。

2匹が餌の野菜にのっそりと近づき、首元を広げて互いに威嚇。河合芳寛さん(46)は「まだ仲が良くないと分かる」。2匹は餌をなかなか口にしない。「びっくりさせちゃったかな」と山田さんが観察を続けた。

地方独立行政法人になると、採用や報酬などの面で民間に近い運営ができる。これまでは市全体の人事異動に組み込まれていたため、動物園と無関係の部署から配属される人もいたが、今後は長期的に専門知識を持つ人材の育成を図る。

動物福祉の観点から、山田さんのチームでは餌の野菜の種類を増やしたり、麻酔を使わず生育状態を把握できるようアシカが自ら体重計に乗る訓練をしたりしている。アシカが泳ぎやすい深さ3メートルのプールも秋に着工予定だ。

園では「今後は動物福祉の取り組みが不十分と評価されると、希少な種や繁殖相手が確保できなくなる可能性がある」(今西隆和副園長)との危機感がある。園自体の拡張は難しいが、老朽化で改築予定のホッキョクグマの飼育場については、カナダ・マニトバ州の基準に合わせて今の3倍以上の面積を確保する。

今西さんは「やむを得ず狭い飼育場となっている動物にも、本来の行動を引き出す快適な環境をつくる。絶滅危惧種の状況を知ってもらえる企画展も開いていきたい」と語った。〔共同〕

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