/

安倍元首相の葬儀、永田町に最後の別れ 各地で急逝悼む

(更新)

参院選の応援演説中に銃撃され8日に死去した安倍晋三元首相の葬儀が12日午後1時ごろ、東京・芝公園の増上寺でしめやかに営まれた。当選同期の岸田文雄首相(自民党総裁)や台湾の頼清徳・副総統らが約200人が参列。焼香と合わせて約1000人が訪れた。喪主は妻、昭恵さん。

昭恵さんは参列者へのあいさつで「いつも私のことを守ってくれた。政治家としてやり残したことはたくさんあったと思うが、種をいっぱいまいているので、それが芽吹くだろう」と語った。

麻生太郎副総裁は「(外交では)持ち前のセンスと一線を譲らない胆力、国際社会での日本の存在を高めた戦後最も優れた政治家だ」と弔辞を読んだ。

会場では安倍氏がピアノを弾いて昭恵さんが歌ったり、2人で卓球を楽しんだりする映像などが流れた。

安倍氏のひつぎを乗せた車は午後3時前から、東京・永田町の自民党本部や首相官邸、国会議事堂周辺など、ゆかりの地をまわった。安倍氏は2006~07年と12~20年の2度にわたり首相を務め、通算の在任日数は3188日で憲政史上最も長かった。

官邸の周りを一周した車は敷地内に入り、玄関で出迎えた岸田首相や松野博一官房長官らの前で停止。閣僚らが手を合わせて見送った。

党本部前では茂木敏充幹事長や高市早苗政調会長ら執行部や、二階俊博元幹事長ら第2次安倍政権下で党運営を支えた議員が並んだ。国会議事堂の正門前には衆参正副議長や、連立政権を組んだ公明党の山口那津男代表が姿を見せ、急逝を悼んだ。

お別れの会は東京都内と地元の山口県でおこなう予定だが、日取りなどは未定。

分厚い雲が空を覆い、25度を超える蒸し暑い朝となった東京都心。増上寺の敷地内に置かれた献花台には、時折雨が降る中、早すぎる死を悼む人々が同日朝から長い列をつくった。

葬儀を終え、安倍氏のひつぎを乗せた車が出発すると、沿道を埋め尽くした人々から「安倍さん、お疲れさま」などの声が上がった。

献花台には白いワイシャツ姿で笑みを浮かべる安倍氏の大きな写真が置かれ、手を合わせたり、涙を浮かべたりしてしのぶ人の姿が見られた。

妻と一緒に訪れた金融業の男性会社員(56)は「アベノミクスによって、マイナスな雰囲気に包まれていた日本に希望を与えてくれたと思う」と振り返る。「今の日本に必要な人だった。残念でしかない」と嘆いた。

情報関連会社を経営する東京都港区在住の女性(66)は台湾出身で、現地でも衝撃が広がっているという。「本当に残念。これまでの日本の首相で一番、女性活躍を推進したと思う。レガシーが長く続いてほしい」と願った。

献花した後、こらえきれずに涙を流す人もみられた。「さようなら安倍さん、ありがとうございます」とローマ字でかかれたプレートを手に持った外国人らの姿もあった。

安倍氏の死去後、各国首脳や高官から相次いで弔意が寄せられている。北海道から足を運んだ50代主婦は、安倍氏が取り組んだ「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」について「世界各国の懸け橋となって尽力してくれた。ありがとうの気持ちしかない」と声を震わせた。

板橋区在住の大学2年の女子学生(19)は、小学生の頃からの首相で親しみがあったと振り返る。「様々な問題もあったが、米国やロシア、インドなど各国首脳と対等だった外交力を評価したい。昨日も友人と話題になった。まだ生きているのではないかと信じられない」とうつむいた。

東京・永田町の自民党本部に設けられた記帳所にも、朝から訪れる人が絶えなかった。

仕事を休んで弔問に駆けつけたさいたま市の男性会社員(41)は「賛否両論あったとは思うが、意欲的な経済政策などに取り組むといった行動力のある人だった。あまりにも早すぎる死だ」と言葉少なだった。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

2022年7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅近くの路上で発生した安倍晋三元首相銃撃事件。亡くなった安倍元首相の国葬が9月27日に日本武道館で行われます。首相経験者の国葬は1967年の吉田茂元首相以来、戦後2例目。最新ニュースや速報をまとめました。

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン