出世払い奨学金、返済開始「年収146万円」など複数案
文部科学省は11日、奨学金を卒業後の収入に応じて返済する大学院生向けの「出世払い」型の奨学金について、返済が始まる年収の目安を「146万円」などとする複数案をまとめた。12日の有識者会議で示し、年内にも具体的な制度設計をまとめる。
出世払い奨学金は政府の教育未来創造会議が5月の提言で導入方針を示し、2024年度から大学院段階で始まる。在学中は国が授業料相当額を立て替え、卒業後の年収が基準を超えた場合に返済が始まる。
制度設計では返済が始まる年収水準が焦点となっている。文科省は水準について、①所得に応じて返済額が変わる現行制度で返済額が最低の月2千円になる146万円とする②146万円よりも高額の水準を新たに設ける――の2案をまとめた。
現行の無利子奨学金では、所得に応じて返済月額が決まる「所得連動返還型」が2017年度に導入されている。出世払い型は所得連動型の派生制度として、法的に位置づける案が有力とされている。