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旧統一教会に質問権再行使、解散請求の判断は年明け以降

文化庁は14日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し、2回目の「質問権」を行使した。同庁が今回求めたのは教団側の不法行為を認めた裁判に関する資料の提出。教団の活動が「組織性、悪質性、継続性」の3要件に当てはまるかどうかを見極める狙いがある。調査は越年し、文化庁が解散命令請求の可否を検討するのは年明け以降となる見通しになった。

「今回はより焦点を絞った報告を求めるための諮問を行いたい」。簗和生文部科学副大臣は同日開かれた宗教法人審議会(文科相の諮問機関)の冒頭で強調した。審議会の了承を得た質問状は、同日中に教団側に送付。回答期限は2023年1月6日に設定した。

1回目の調査との最大の違いは、教団の活動の中身に踏み込んで質問する点にある。前回は基礎情報の収集が主眼だった。文化庁は教団の組織運営や財務・収支状況を主に尋ね、回答期限の今月9日、段ボール8箱の回答書類を受け取った。議事録や帳簿などが含まれるとみられ、今後内容を精査する。

今回の質問で尋ねる内容は大きく2点ある。まず教団側の不法行為を認定した判決に関する事実関係の確認だ。文化庁によると、1994~2020年に教団側の不法行為を認めた民事判決は22件あり、同庁はこれらについて教団側に関連資料の提出などを求めたもようだ。

次に教団が09年に出した「コンプライアンス宣言」の順守状況がある。霊感商法が1980年代以降に社会問題化したことなどを受け、教団が信者の活動を見直すために示した。だが、全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、宣言以降の10~21年にも教団に関して計2800件の相談が寄せられた。文化庁は同連絡会と連携し、相談内容なども質問内容に反映したとみられる。

教団は14日、2回目の質問権行使について「これまでと変わらず、適切に対応させていただく」とコメントした。

文化庁は2回目の回答もあわせて、教団の行為に「組織性、悪質性、継続性」の3要件を満たすと判断すれば、裁判所への解散命令請求について検討する。文科省幹部は「とにかく事実関係の積み上げが必要だ」との考えを示す。今後、1回目の回答に対する再質問や教団幹部らの対面調査なども視野に入れる。

教団を巡っては、信者同士の養子縁組をあっせんしているとの指摘を受け、厚生労働省と東京都も調査を進めている。5日に教団側から回答を受け取ったが、「さらに確認する必要がある」(加藤勝信厚労相)とし、主に養子縁組あっせん法が施行された18年度以降の成立縁組について、19日を期限に再び質問状を送付した。

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