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避難先「密避け多様に」 防災白書、コロナを反映

(更新)
新型コロナウイルス感染防止のため、避難所で間隔を空けて休む人たち(2020年7月、熊本県八代市)

政府は11日、2021年版の「防災白書」を閣議決定した。新型コロナウイルス禍での災害対策について、「密」を避けるため避難先の多様化が求められると指摘。自治体の指定避難所やホテルなどの宿泊施設に加え、各省庁の研修所など国の関連施設929カ所も避難先として活用するとした。

白書は、ハザードマップなどで自宅の安全を確認できた場合は「『3密』回避のためにも避難する必要はない」と明記。その上で、危険な場所にいる人の避難先を分散させる工夫が欠かせないとした。

避難所を設置する自治体に対しては、ホテル・旅館から客室などを提供してもらうためにも、業界団体と連携して交渉に努めるよう求めた。具体的な事例として、20年7月の豪雨で、熊本県が主導してホテルや旅館の客室などを確保し、災害弱者の避難先としてあっせんしたケースを紹介した。

国は、避難場所として各省庁や独立行政法人などの施設を全国に929カ所確保しており、自治体にリストを提供している。施設数は東京都が86カ所で最も多く、北海道(62カ所)や兵庫県(49カ所)、茨城県(43カ所)が続く。

白書では、コロナ禍に対応した避難所のレイアウトやスペース活用も図解で示した。学校などの避難所では、健康な避難者が滞在するスペースとは別に、発熱者や濃厚接触者の部屋をつくるなどの工夫を求めた。マスクや消毒液、パーテーションなど感染防止に必要な物資の備蓄の必要性も強調した。

一方、地域の住民や企業がつくる「地区防災計画」が、自治体の防災計画に反映されたケースが昨年4月時点で901地区になったことも盛り込んだ。また計画を策定中としているのは全国で4170地区にのぼり、前年より1142地区増えた。身近な地域防災の取り組みが浸透してきたといえる。

地区防災計画は13年の災害対策基本法改正で創設。地域の実情に応じ、高齢者をどう避難させるかなどを地区レベルで相談して決めておく「自助・共助」の仕組みだ。自治体が策定する全体の防災計画は「公助」であり、国は2つの計画を合わせることで地域の防災力が高まると期待する。

避難所の物資調達・輸送調整の支援システムを初めて活用した20年7月豪雨の際の実践例も掲載した。

新システムでは避難所にいる自治体職員がスマートフォンなどに必要な物資を入力すると、国や都道府県、市町村とリアルタイムで情報が共有され、地域の拠点に物資が届く。電話やファクスでのやりとりが中心だった従来の手法では一元的な在庫管理が難しく、課題だった支援物資のミスマッチ解消につなげる。

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