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ECモール出品者、登記や住民票で確認 消費者庁指針案

(更新)

インターネット通販のトラブルが増えるなか、消費者庁は14日、電子商取引(EC)モール運営会社に対し、出品者の本人確認の徹底などを求める指針案を示した。具体的には法人登記簿や住民票を活用するといった方法を例示した。大手ではこうした仕組みの導入が既に進んでいるものの、身元を偽るケースも確認されており、悪質業者への対策はなお課題だ。

拡大するネット通販を巡る消費者トラブルは後を絶たない。国民生活センターによると、ECに関する消費者相談は2020年は約29万件にのぼり、比較可能な12年以降で最も多かった。21年も1~11月で21万件を超えている。

消費者庁が相談内容の内訳を公表している20年6月についてみると「出品者と連絡が取れない」が6353件と目立つ。「商品が届かない」(2876件)や「イメージ違い・注文品違い」(899件)なども多い。

今回の指針案は、オンラインモールなどでの消費者利益の保護を目的とする新法「取引デジタルプラットフォーム消費者保護法」が4月に成立したのを受けたもの。消費者庁が14日の官民協議会準備会で提示した。アマゾンや楽天市場といったECモールのほか、民泊仲介サイトなども対象となる。

指針案は出品者の本人確認について「情報の真正性を担保し取引の安全を確保するうえで重要」と位置づけ、モール運営会社に徹底を求めた。具体的な確認資料として、出品者が企業の場合は法人登記簿、個人事業者の場合は住民票を例示した。

大手モールは個別の規約に基づき本人確認をしており、アマゾンジャパンや楽天グループはこれまでも法人登記の情報や本人確認書類の提出を求めている。業界関係者は「大手の本人確認は既に厳しい。対応が必要になるのは主に中小・新興モールだろう」とみる。

指針案はこのほか、トラブル回避のため出品者と購入者が円滑に連絡を取り合える手段の確保を要請。具体策としてモールサイト上でのメッセージ機能を挙げた。購入者から苦情があった場合には、モール運営会社が調査に努めることも求めた。

消費者庁は年内にもパブリックコメント(意見公募)を実施し、来年5月までに指針を正式に決める。指針は努力義務で違反しても罰則はない。指針は事業者と消費者間の「BtoC」向けで、個人同士の中古品売買など消費者間の「CtoC」は対象にならない。

指針策定により本人確認は強化されるものの、悪質な業者の締め出しはなお課題だ。大手モールでも、実在しない住所や電話番号を登録し偽ブランド品を販売していた出品者が確認され、消費者庁が20年4月に業務停止命令を出す事態に発展した。同庁によると、業者が個人を装って出品することで「CtoC」に見せかけるケースもあるという。

ECモールの出品者に関しては、法律や指針で規制される販売事業者か、規制対象外となる個人かを巡って線引きが曖昧な部分があり、官民協議会準備会で引き続き議論する。消費者庁の担当者は「指針などを普及させて消費者トラブルを防ぎ、ECモールを安心して取引できる場としていきたい」としている。

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