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性犯罪見直し「暴行・脅迫」焦点 法制審、議論の行方は

閣議後の記者会見で、刑法の性犯罪規定について話す上川法相(10日、法務省)=共同

刑法の性犯罪規定の見直しに向けた議論が始まる。上川陽子法相が10日、16日に法制審議会(法相の諮問機関)に諮問すると明らかにした。現行法の強制性交罪などが成立要件とする「暴行・脅迫」などの見直しが焦点となるが、慎重論も根強く、議論の行方は見通せない。

性犯罪の規定を巡っては、2017年7月施行の改正刑法で厳罰化された。被害者への配慮を重視し、被害者の告訴がなくても起訴が可能となったほか、強姦罪の名称を「強制性交罪」に変更。法定刑の下限を懲役3年から5年に引き上げるなどした。

ただ厳罰化の「不十分さ」を指摘する意見もあり、被害者団体などは強制性交罪などが成立要件とする「暴行・脅迫」の見直しを強く求めている。実際、暴行・脅迫がなくても、恐怖で声を出せずに被害に遭うケースもあるからだ。今後は、こうした要件の撤廃を巡る議論が大きな焦点となりそうだ。

公訴時効(強制性交罪は10年)の見直しも検討事項となる。性犯罪の被害者は精神的ショックが大きく申告に時間がかかる傾向がある。このため時効に阻まれて立件できないケースも多く、対応が求められてきた。性交に同意できる年齢の13歳からの引き上げや、地位や関係性を悪用した性行為の処罰も議論する。

「盗撮罪」の新設の是非を巡る議論も始まる。現行の刑法には盗撮行為を罰する規定がなく、迷惑防止条例は主に裸や下着姿の盗撮が対象。近年、被害が深刻化している競技中の女性アスリートを性的な目的から撮影する行為を罪に問うのは難しいのが現状で、対策が急務だ。

こうした様々な問題を巡っては、法務省が20年6月に設置した検討会で、専門家や被害者団体の代表が委員となり、議論を重ねてきた。

相手の同意がない性行為については「処罰すべきだ」との意見で一致したものの、そのほかの規定の見直しを巡っては「処罰範囲が明確となる要件が必要だ」などと慎重な意見が目立った。21年5月の報告書は多くの項目について「さらに検討すべきだ」とし、具体的な改正案がまとまらなかった。

今後、法制審での議論も長期化する可能性もあるが、法務省幹部は「被害者が泣き寝入りすることなく、処罰されるべきものが処罰されることが原則」と指摘。そのうえで「処罰範囲が明確、適切になるよう議論されることを期待したい」と話した。

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