JR東運転見合わせ23万人影響 11日は始発から通常運行

10日午後、埼玉県蕨市にあるJR東日本の変電所で火災が発生した。JR東によると、停電が起き、山手線や京浜東北線、埼京線など、東京や埼玉を中心に首都圏のJR在来線は一時広範囲に運転を見合わせ、利用客約23万6千人に影響した。11日は始発から平常通りの運行となった。
埼玉県警や消防によると、10日午後0時55分ごろ、蕨市塚越の蕨交流変電所で「爆発音が聞こえた」と近隣住民から119番があり、約3時間半後に鎮火した。けが人の情報はない。

JR東によると、山手線や常磐線、武蔵野線などは約1時間後に運転を再開。京浜東北線大宮―赤羽間や東北線(宇都宮線)東京―大宮間、高崎線東京―大宮間の上下線は午後8時すぎまでにいずれも運転を再開した。
同変電所は基幹変電所に位置付けられ、複数の変電所を通じ首都圏を走る各路線に電気を送っている。埼玉県警によると、変電所の変圧器などを収納しているトランス室が焼失していた。火元とみられ、県警は11日、消防とともにトランス室を実況見分した。
乗り入れている全路線が一時運転を見合わせたJR赤羽駅。改札前で立ち尽くす人や「どうしよう」と電話する人の姿が見られ、駅前のバスやタクシー乗り場には100人以上が列を作った。さいたま市大宮区の無職の女性(75)は「自宅に帰りたいが、代替手段があるのかも分からない。影響がいつまで続くのか」と困惑していた。
変電所近くのマンション2階に住む会社員の男性(64)は「ボーンという音と真っ黒な煙が上がった。焦げ臭いにおいもした」と話し、70代男性は「火が15~20メートルぐらい、2、3回上がった」と驚いた様子だった。〔共同〕

関連企業・業界