見田宗介さんが死去 社会学者・東大名誉教授
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学問分野の壁を越えて、現代社会の構造や心理を分析した社会学者で東京大名誉教授の見田宗介(みた・むねすけ)さんが4月1日、敗血症のため東京都内の病院で死去した。84歳だった。告別式は近親者で行った。喪主は妻、仁子さん。
1960年東京大を卒業、82年教授に。情報化社会の光と闇を解明した「現代社会の理論」、人間の根源的問題と格闘する社会学のあり方を示した「社会学入門」などの著書で、日本の社会構造を理論的に究明した。幅広い視点に立った独自の考察は「見田社会学」と呼ばれた。
インドやメキシコなど世界を旅した経験を踏まえ、比較社会学の視点から近代の後の世界と生き方を構想した「気流の鳴る音」などを真木悠介の筆名で発表。2012年には「定本 見田宗介著作集」で毎日出版文化賞を受けた。他の著書に「価値意識の理論」など。〔共同〕