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ゴールド免許更新、講習をオンライン化 22年2月試行

(更新)

警察庁は9日、優良運転者が免許更新時に受ける講習のオンライン実施を来年2月1日から試行すると明らかにした。北海道、千葉、京都、山口の4道府県が対象。新免許証の受領には免許センターなどを訪れる必要があり、どこまで利便性向上につなげられるかは課題だ。2024年度末に計画する全国実施に向け改善点を洗い出す。

行政の電子化を進める政府が20年末に改定した「デジタル・ガバメント実行計画」に盛り込まれた施策の一環となる。

オンライン受講の試行は、5年以上継続して免許を持ち、無事故無違反などの条件を満たす「ゴールド免許」を保有する70歳未満の優良運転者が対象。来年2月1日以降に誕生日を迎える人が該当する。

20年は全国で約938万人が優良運転者講習を受け、免許更新時に講習を受けた人の総数(高齢者講習や認知機能検査はのぞく)の約6割を占めた。4道府県での試行は22年3月31日まで。この2カ月で最大約7万人の受講が見込まれる。

受講の際、本人認証にはマイナンバーカードを使う。受講者は各道府県警のホームページから専用サイトにアクセスし、マイナカードに記録されている署名用電子証明書の暗証番号(6~16文字の英数字)を入力。スマートフォンなどでカードを読み取り認証を受ける。マイナンバー自体は使用されない。

講習の動画をスマホなどで好きな時に視聴できることが利点となる。早送りはできない仕様とするが、再視聴や一時停止も可能だという。動画は3つの章に分かれ、各章ごとに受講者が自分の顔写真を送信する。自動の顔認証は行わず、警察職員が事後的に目視で免許証の顔写真と照合し、本人による受講を確認する仕組みとする。

ただ、オンラインで講習を受けても、適性検査や新免許証の写真撮影、交付のため免許センターなどを訪れる必要が生じるのは現状の手続きと変わらない。新免許証が完成するまで一定の待ち時間は発生するとみられ、どこまで利便性の向上につながるかは不透明な面もある。

試行に参加する京都府警は来場時にかかる時間を短縮するため、時間帯によってオンライン受講者向けの窓口を設ける方針という。警察庁は受講者へのアンケートなどを通じ課題を洗い出し、必要な運用改善に生かす。

警察庁は4道府県を選んだ理由について「試行を実施するうえでの地域バランス、都道府県ごとの優良運転者講習の受講者数といった点を考慮した」としている。

同庁は22年度も4道府県で試行を続ける方針で予算要求しており、21~22年度にシステムの構築や保守運用などで約6億円を投じる計画だ。

同庁は企業や組織が専用のクラウド環境を構築する「プライベートクラウド」を整備し、24年度末までに各都道府県警の「運転者管理システム」を移行して集約する方針。将来的には警察手続きのオンライン申請など他のシステムもプライベートクラウドに統合し、一体運用することで警察業務の合理化を目指す。

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