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小中高生3万人、コロナ感染不安で長期欠席 20年度

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新型コロナウイルスの影響で臨時休校し、がらんとした都立高校の教室(2020年4月、東京都台東区)

2020年度に新型コロナウイルスの感染回避を理由に学校を長期欠席した児童生徒が、全国で約3万人に上ったことが13日、文部科学省の問題行動・不登校調査で分かった。現在も登校を見合わせる子は少なくなく、オンラインによる指導など学力低下を防ぐ対策の拡充が求められる。

文科省は毎年、年度内に30日以上の長期欠席をした児童生徒を調べ、「不登校」「病気」「経済的理由」などの項目別にまとめている。今回の調査では、長期欠席の理由に「新型コロナの感染回避」を新たに追加した。

全国の小中高校に通う児童生徒は20年度で約1268万人。このうち長期欠席した小中高校の児童生徒は、19年度を約1割上回る約36万8千人だった。「新型コロナの感染回避」は計3万287人と8.2%を占め、小学生が1万4238人、中学生は6667人、高校生は9382人だった。

感染者数が多い都市部ほど、感染不安を理由とする欠席が多くみられた。小中高校の合計では、東京都の5305人と神奈川県の4386人が突出し、大阪府(1970人)や北海道(1698人)が続いた。

また小中学校の「不登校」は前年度比8.2%増の19万6127人と、比較可能な1991年度以降で最多を更新した。文科省はコロナが影響したと分析しており、「昨春の一斉休校などで生活のリズムが乱れやすくなって不登校が増加した」とみている。

学校から家庭にウイルスが持ち込まれるのを懸念して登校を控えさせる保護者はなお多い。

千葉市の公立小中では、新学期開始直後の8月31日だけで約3200人が感染不安を理由に欠席した。「感染状況の改善に伴い現在は減少している」(市教育委員会)とみるが、一部で長期化している可能性がある。

文科省は20年6月、感染不安で登校しない場合は「欠席」ではなく「出席停止・忌引等」で扱えるとの見解を全国の教育委員会に通知した。入試で不利にならないための配慮だが、登校しない子への学習支援の取り組みは地域差がある。

大阪府箕面市は20年度から、希望者向けに小中学校の教室で実施する授業のライブ配信を始めた。今年の夏休み明けの9月1日からは、全児童生徒が持つ学習用端末に新たな支援ソフトを導入。自宅にいる児童らがタッチペンで端末上の課題プリントに解答などを書き込むと、教室にいる教員がリアルタイムで確認できるようにした。教室での授業に近づけ、映像を見るだけになるのを防ぐ工夫だ。

市教委の担当者は「感染不安で学校に来られない子どもの学力の保障は大前提。コロナが収束しても、不登校の児童生徒がオンライン学習を選べるようにしたい」と強調。自宅から授業を受けた児童生徒は、夏休み明けから9月末までに延べ約6100人に上ったという。

一方、名古屋市は全小中学生への端末配備完了が7月末までかかり、他地域に比べて出遅れた。9月1~3日に登校を見合わせた小中学生は1日あたり4891人に及んだが、同市教委は「操作に不慣れな子どもや教員が多い。児童生徒への指導は各校に任せているが、紙のプリントなどで対応している学校もあるだろう」と話す。

上智大の酒井朗教授(教育社会学)は「自治体ごとの取り組みの差が大きくなれば教育機会に格差が生まれる」と懸念。「ICT(情報通信技術)を活用した対応が不可欠だが、自治体だけの力では限界がある。国は人材や財政的な側面でのフォローを一層強化する必要がある」としている。

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