不動産仲介大手の元部長、脱税事件絡み数千万円受領か
東京国税局が脱税の疑いで東京都新宿区の不動産仲介業者「ビルド」と同社代表を東京地検に告発した事件に絡み、不動産仲介大手の三井不動産リアルティ(東京・千代田)の元部長が、ビルド側から現金数千万円を得ていたのに税務申告していなかったとして、国税当局から所得税の申告漏れを指摘されていたことが7日、関係者への取材で分かった。
三井不動産リアルティは取材に対し「国税局からの査察で取引先から金銭を受け取った事実が判明し、社内規則違反であるため懲戒解雇にした。誠に遺憾で社内コンプライアンスをより強化していく」と回答した。同社は詳細を明らかにしていない。
関係者によると、ビルドの松本幸二代表(59)は取引先に虚偽の領収書を作らせ、架空の仕入れ高を計上して所得を圧縮。2021年9月期までの2事業年度で、所得約1億9千万円を隠し、法人税など約4800万円を免れた疑いがある。こうした不正で得た資金の一部が取引先の元部長に渡っていたとみられる。
国税局は、脱税行為の主体は松本代表だったとして、元部長を告発対象には含めなかったもようだ。元部長は修正申告と納税を済ませたとみられる。〔共同〕
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