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「生きる時無駄にしない」 熊本地震で脚失った元大学生

 牧場で働く梅崎世成さん(3月、鹿児島県伊佐市)=共同

熊本県南阿蘇村にキャンパスを置く東海大農学部1年生だった梅崎世成さん(24)は、2016年4月の熊本地震で住んでいたアパートが倒壊、右脚を失った。2度目の震度7を観測した4月16日未明の「本震」だった。懸命のリハビリの後、学生生活に復帰。「助かった命。生きる時間を無駄にしない」。あの日からもうすぐ5年。動物と関わり続けたいとの夢をかなえ、鹿児島県内の牧場で働く。

幼少期から動物好きで、身近で家畜と接したいと東海大農学部を選んだ。入学直後の16日、就寝中にバリバリと木が割れるような音がした。気が付くと暗闇の中、下半身は本棚の下敷きに。天井はつぶれ目の前にあった。意識はもうろうとし、早朝救助された。

ヘリコプターで熊本市内の病院へ運ばれ、手術台に乗せられた。「脚を切断するかもしれない」。そう告げる医師に「任せます」と答えた。目覚めると、右脚はなく「頭が真っ白になった」。しばらくはぼうぜんとしていたが「失った脚のことを考えるのはやめよう」とリハビリに専念し、義足にも慣れていった。

大学では阿蘇の校舎が損壊。学生3人が亡くなった。梅崎さんは同級生と共に学びたいと入院先で勉強を続け、約5カ月後には熊本市へ移ったキャンパスに復帰した。

日常生活での不便は増えたが、熊本市動植物園でイベントを企画する活動にも加わり、4年間の学生生活を送った。もともとは周りに合わせる性格だったというが「最大限やりたいことをやる」と、積極的に物事に取り組むようになったと話す。

実習で家畜に触れる中、他の人のように体を動かせず「現場は無理」との思いはあった。それでも事務方として動物に関わろうと職場を探す中「牛の命を第一に」という自身の考えと企業理念が一致する畜産会社「カミチクファーム」(鹿児島県南さつま市)の存在を知った。

入社後は伊佐農場(同県伊佐市)で総務や経理を担当。梅崎さんは「良い仲間と環境、職場に巡り合えた。裏方として畜産の現場を支えたい」と話している。〔共同〕

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