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公私立大3割、理工系拡充へ 成長分野の人材育成目指す

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全国の公立・私立大の3割が理工農分野の学部新設や定員増を検討していることが13日、文部科学省の調査で分かった。各校は理系拡充を促す同省の基金を使う意向で、学部再編が急速に進む可能性がある。

文科省は理工農系学部を増強する公私立大などを支援する3000億円規模の基金を立ち上げ、今春にも公募を始める。調査は基金活用の意向を調べるため2022年12月〜23年1月に公私立大717校に行い、計503校が回答した。

大学院大学などを除く490校のうち、理工農分野の学部新設や定員増を考えているのは私立大133校、公立大23校で、いずれも32%を占めた。最も検討が進んでいる学術分野を尋ねると工学(39%)が最多で、情報・データサイエンスなどのデジタル分野が24%だった。

国立大を含めた22年度の日本の大学の学部構成をみると、学部生約263万2千人のうち理学部は約7万9千人(3%)、工学部は約38万2千人(15%)、農学部は約7万8千人(3%)。再編が進めばこうした分野の学生の増加が見込まれる。

公私立大が理工系学部を強化する背景には、デジタルや脱炭素といった成長分野の人材育成の遅れがある。国内企業の67%はデジタル化を進める上での課題に「人材不足」を挙げる。政府は26年度末までに230万人のデジタル人材が必要と試算する。

日本の大卒者のうち、理工農を含む自然科学分野の学位取得者の割合は35%で、英国(45%)やドイツ(42%)、韓国(42%)と比べて低い。政府の教育未来創造会議は22年5月の第1次提言で理系を専攻する学生を5割程度に引き上げる目標を掲げた。

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