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元法相の選挙買収、県議ら35人「起訴相当」 検察審

(更新)

2019年の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、東京第6検察審査会は28日、河井克行元法相(58)=公職選挙法違反罪で実刑確定=から現金を受け取ったとして同法違反(被買収)の疑いで告発され、不起訴とされた地元政治家ら100人のうち、広島県議ら35人を「起訴相当」、46人を「不起訴不当」とする議決書を公表した。

議決を受け、東京地検特捜部が再捜査する。地元政治家らはほとんどが買収の趣旨で現金を受領したことを認めており、再捜査は刑事責任を問うことの妥当性が焦点になる。

起訴相当と議決された35人は、再び不起訴となっても、検察審の2回目の審査で「起訴議決」となれば、検察官役の指定弁護士によって強制起訴される。現職議員が被買収罪で起訴され、罰金刑以上が確定すると、公民権が停止し議員失職する。

議決は昨年12月23日付。検察審は議決書で「公職にある者は公選法を厳格に順守すべきで、不正な利益授受で選挙人の自由な意思表明を歪曲したならば、とりわけ厳しく追及されるべきだ」と指摘した。

その上で、10万円以上受け取ったり、受領後も議員辞職せず、現金を返還しなかったりした地元政治家ら計35人を「責任の重さや悪質性に鑑み」起訴相当と判断。現金5万円超を受け取るなどした後援会関係者ら46人は不起訴不当とした。

東京地検が一律で不起訴とした処分について「夫妻のみを処罰して、受領者らを全く処罰しない結論は、重大な違法行為を見失わせるおそれがある。裁判所に適正に処罰される事実を示してこそ、社会正義が実現される」と批判をにじませた。

東京地検の森本宏次席検事は「議決内容を精査し、所要の捜査を行った上、適切に対処したい」とコメントした。

元裁判官の法政大法科大学院、水野智幸教授(刑事法)は「過去の被買収事件の処分と比較しても極めて妥当な結論だ」と評価。「民意は被買収について厳しい姿勢を示した。地元政治家らも議決を真摯に受け止める姿勢が求められる」と話した。

元法相の一審判決によると、100人は19年3~8月に妻の案里元参院議員(48)=同罪で有罪確定=の票を取りまとめる趣旨で現金計約2870万円を受け取った。1人あたりの受領額は5万~300万円。公判で100人中94人が「選挙のため」などと買収の趣旨を認めた。

市民団体などから告発を受けた特捜部は昨年7月、「被買収罪が成立する」と認定する一方で、元法相との力関係や資金が別の人への買収に使われなかった点などを考慮し、死亡した1人を除く99人を「起訴猶予」としていた。

元法相の公判では、地検が受領側を処分していなかったことについて、弁護側は「意図に沿うように供述を誘導しており著しく公平・公正さを欠く」と非難。東京地裁は判決で「訴追裁量権を逸脱するとはいえない」と退けた。

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