石綿建材企業を一斉提訴 元労働者や遺族、全国10地裁で
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建設現場で適切なアスベスト(石綿)対策が取られないまま作業に従事し、石綿を吸い込み、肺がんや中皮腫になったとして、元労働者や遺族ら計約190人が7日、建材メーカーに損害賠償を求め10地裁に一斉に提訴した。最も原告が多い東京訴訟では68人が22社に計約15億7千万円を請求した。
「建設アスベスト訴訟」を巡っては最高裁が昨年5月、国の賠償責任を認める初の統一判断を示した。被害者への給付金制度が創設された一方、建材メーカーとは個別の審理が必要とされ、各地で訴訟が続いている。
東京訴訟の水口洋介弁護士は、全国の石綿建材を巡る訴訟でメーカーから賠償金を支払われた被害者は1割程度にとどまるとの集計を示し「決着がついてない。解決を求めたい」と訴えた。
〔共同〕