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大麻摘発、最多5000人超 罪悪感薄く若者にまん延

(更新)
押収された乾燥大麻=共同

2020年の大麻取締法違反の摘発が5千人を超えて過去最多となったことが8日、警察庁の統計でわかった。前年から2割増え、特に20代以下の増加が目立つ。海外で合法化が進み、罪悪感が希薄化している。政府は取り締まり強化に向け、使用罪の創設も検討する。

薬物事犯の検挙人数は前年比5%増の1万4079人。うち、最も多い覚醒剤は1%減の8471人だったが、2番目に多い大麻は17%増の5034人だった。覚醒剤は5年連続で減り、大麻は7年連続で増えた。大麻事件の摘発者の8割が「所持」だった。

大麻事件の摘発者を年代別にみると、20歳代が2540人で全体の5割を占め、最も多かった。20歳未満も887人と4年で4倍に増え、大学生(219人)と高校生(159人)は過去最多となった。人口10万人あたりの検挙人数は30歳代以上が横ばいなのに対し、20歳代以下は年々増えている。

若年層にまん延する背景には、大麻使用に対する危険性の認識の低下がある。20年10~11月の摘発者748人を調査したところ、大麻に対する危険性の認識が「ない」という割合が78.2%で、17年調査から13.9ポイントも増えていた。危険性を軽視する情報は友人・知人やインターネットから得ていた。

海外で合法化が進んでいることも、罪悪感の希薄化に影響しているとみられる。米国では嗜好用大麻の所持や使用を州単位で認める動きが広がり、3月30日に米東部ニューヨーク州で合法化法案が可決された。合法化推進団体によると、ほかに15州と首都ワシントンがすでに合法化している。

大麻は入手のハードルも低い。警察庁によると、乾燥大麻の末端価格は1グラムあたり約6千円。覚醒剤(同約6万円)やコカイン(同約2万円)と比べて安い。暴力団関係者などの売人ではなく、大学などで知人から譲り受けるケースも多い。昨年10月には大学の硬式野球部の寮で複数部員の使用が発覚した。気軽に利用できるSNS(交流サイト)を通じた取引も活発で、ツイッター上で「野菜」(大麻)や「手押し」(手渡し)などの隠語が飛び交う。

一方で、大麻が「ゲートウェー(入り口)ドラッグ」となり、より深刻な薬物依存に移行する危険性も指摘されている。「20年版犯罪白書」によると、覚醒剤を使用したなどとして刑事施設に入った30歳未満の男女の42%が、最初に使用した薬物に大麻を挙げた。

大麻が若者にまん延している実態を受け、政府は大麻取締法に「使用罪」の創設の検討に入った。大麻取締法は所持や栽培を禁止しているが、単純使用の罰則はない。厚生労働省で1月、有識者による検討会が立ち上がり、同法の使用罪の導入について議論を始めている。

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