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スリランカ女性死亡「医療体制に制約」 入管庁が報告書

(更新)

出入国在留管理庁は10日、名古屋入管の施設で3月にスリランカ人女性(当時33)が死亡した問題について、庁内の調査チームによる報告書を公表した。死因については「複数の要因が影響した可能性がある」とし特定しなかった。2月中旬の尿検査で異常値が出ており「追加検査が望ましかった」としたが、実施しなかったのは医療体制に制約があったためと説明した。

記者会見した佐々木聖子長官は「人の命を預かる行政機関としての緊張感や心の込め方が不十分だった」と述べ、対応した職員の危機意識の欠如を認めた。当時の名古屋入管局長と次長を訓告、警備監理官ら2人を厳重注意処分にしたと明らかにし、監視カメラの映像を遺族に開示する方針も表明した。

報告書などによると、死亡したウィシュマ・サンダマリさんは2020年8月に入管施設に収容され、21年1月ごろから吐き気などを訴えるようになった。血液検査や胃カメラで異常が見つからず3月4日に外部の精神科を受診。抗精神病薬などを服用していたところ同月6日に呼びかけに応答しなくなり、搬送先の病院で死亡が確認された。

報告書は死因について、甲状腺炎や脱水、抗精神病薬の影響など複数の可能性があり、詳しく特定できないと結論づけた。

1月の検査で異常が見つからなかったことから、心因的な要因を疑って精神科を受診させたことは「合理的」と判断した。2月中旬の尿検査では基準値を超えていたが、追加検査をしなかったのは、週2日、各2時間勤務の非常勤内科医しか確保できていないという医療体制の制約が原因とした。

入管庁は再発防止策として、行動指針の策定や情報共有の徹底、医療体制の強化などを挙げた。体調不良の人の収容を継続するかは本庁がチェックする仕組みをつくる。

調査チームは名古屋入管幹部や診察にあたった医師ら関係者計63人から聞き取りし、外部の弁護士や医師らの意見を聞いた上で報告書をまとめた。

ウィシュマさんの死亡を巡っては、出入国管理法改正案審議の過程で、野党側が経緯の公表を要求。入管庁の説明不足などを理由に採決を認めず、政府・与党が改正案を取り下げた経緯がある。

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