更年期の影響把握・支援へ 厚労省、初めて実態調査
ほてりやめまい、気分の落ち込みなど40代以降の更年期に生じる症状が日常生活や仕事に与える影響について、厚生労働省は2022年度から初の実態調査に乗り出す。症状が重く働けずに職場を解雇されるなど深刻な事例もあり、現状把握を進めて支援策を検討する。
更年期は女性の場合、閉経前後の10年間ほどを指し、主にホルモン減少が原因で体調不良などの症状が出る。男性にもあるが、ホルモン低下が女性より緩やかなため、加齢に伴う症状と認識され気付かないケースも多いとされる。日常生活に支障があるほど症状が重い場合、更年期障害と呼ぶ。
労働基準法に定められている「生理休暇」のような制度は更年期症状にはなく、対応を求める声が出ている。実態調査の詳細な内容などは今後調整する。
労働組合「総合サポートユニオン」が昨年実施した更年期症状の経験者への調査によると、285件の回答の中で「症状のため仕事で悩みを抱えたり、職場トラブルや労働問題にあったりした」のは37%に上った。
更年期症状は、体や心にさまざまな影響が出て個人差がある。初期はだるい、寝付けないといった曖昧なものが多い。発症に気付かないまま思い通りに活動できないストレスを蓄積させ、精神状態を悪化させることもある。不調が他の病気によるものではないかの確認も重要とされる。〔共同〕