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IR汚職、現職議員に異例の実刑 「証人買収」を適用

(更新)
弁護団とともに東京地裁に入る秋元司議員(7日午前、東京都千代田区)=代表撮影

カジノを含む統合型リゾート(IR)参入を巡る汚職事件で、東京地裁は7日、衆院議員の秋元司被告(49)に懲役4年、追徴金計約758万円(求刑懲役5年、追徴金約758万円)の判決を言い渡した。現職国会議員への実刑判決は極めて異例。収賄罪に加え、適正な裁判を妨げる「証人等買収」の罪を適用し、悪質性を認めて量刑に反映させた。

秋元議員側は公判で一貫して「起訴された事件はフィクションだ」として全面無罪を主張。判決を不服として控訴した。

秋元議員は内閣府副大臣(IR担当)と国土交通副大臣を務めた2017年9月~18年2月、IR参入を計画した中国企業「500ドットコム」側から計約758万円を受領したとする収賄罪に問われた。

収賄について、7日の東京地裁判決は①講演料(現金200万円)②陣中見舞い(現金300万円)③中国旅行費など(計約182万円相当)④北海道旅行費(計約76万円相当)――のすべてを賄賂と認定した。

「至れり尽くせりの接待を受けた」などと指摘し、立法に関する情報提供があったと判断した。そのうえで「IR事業を所管する中央官庁の要職にありながら自覚を著しく欠き、特定企業と癒着し、職務の公正と社会一般の信頼を大きく損なった」と述べた。

一方で「殊更に賄賂を求めたわけでなく、贈賄側のIR事業参入に特段の成果をもたらした形跡もない」と酌むべき事情を挙げ、「収賄に限っていえば刑の執行猶予を選ぶ余地が残されていた」とした。

実刑の決め手は「証人等買収」という罰則規定だった。マフィアやテロ組織の捜査で各国が協力する条約の締結に向け、司法の妨害行為を取り締まる法整備の必要性から、17年施行の改正組織犯罪処罰法で新設された。暴力団などの偽証工作を想定していたが、初めて立件されたのは国会議員の事件だった。

買収をめぐり、判決は、中国企業の元顧問2人=いずれも贈賄罪で有罪確定=にそれぞれ偽証を働きかけ、報酬の支払いを申し込んだと認定。「(IR汚職事件での)保釈直後から贈賄犯の買収という前代未聞の司法妨害に及んだ」と厳しく非難した。

5カ月余りで4回の利益授受と、4人と共謀した証人買収――。度重なる犯行を認めた判決は「買収工作に応じ、責任が追及されると、卑劣な手段に訴えて公の作用をゆがめようとした。公人としての倫理観はおろか最低限の順法精神すら欠如している」と切り捨て、「刑責はかなり重く、実刑は免れない」と結論づけた。

職務権限はないものの、IR汚職事件に加担した「身分なき共犯」として収賄罪に問われた元政策秘書、豊嶋晃弘被告(42)には懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役2年)が言い渡された。

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