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高校教科書に足し算や九九 「学び直し」ニーズ支える

来年度から主に高校1年生が使う東京書籍「数学Ⅰ」の教科書=共同

「3×8=」「36+42=」……。来春から主に高校1年生が使う「数学Ⅰ」のある教科書には、2桁同士の足し算や引き算、九九といった演習問題が並ぶ。さまざまな事情で基礎学力が身に付かないまま高校に進学した生徒のために編集され、文部科学省の検定に合格。学習指導要領にも記載された「学び直し」のニーズの高まりに応えたものだ。

作ったのは東京書籍。数学Ⅰは難易度が異なる4種類があり、その中で最も易しいものに盛り込んだ。数学編集部の提橋正一部長が高校を訪れた際、教員が小学2年生用の算数教科書を使って教えているのを見て、必要性を強く感じた。「これまでは大学入試の方ばかりを向いて作っていた」と振り返る。

約170ページのうち、冒頭の約30ページが主に小学校の復習だ。整数の足し算と引き算から始まり、「37+28=65」などを筆算で解く方法を示す。九九では「7×5」を「7+7+7+7+7」と、7を5つ足したものだと丁寧に解説している。

続けて割り算、小数、分数、速さの求め方などを説明し、最後に中学1年で習う負の数を紹介する。項目ごとに演習問題があり、教科書に直接書き込めるよう余白を確保した。

高校の学習範囲も基礎的なものに絞り、漢字には極力ルビを振った。提橋部長によると、小中学校を休みがちだった生徒も含め、多様な学力層が在籍する通信制高校などでの採用を見込む。

2022年度からの高校の新指導要領は「義務教育段階での学習内容の確実な定着を図る」ことを掲げる。学び直しを支援するこうした表現は現行の指導要領から盛り込まれ、数学以外の教科書にも反映されつつある。

来年度から主に高校1年生が使う三省堂の「英語コミュニケーションⅠ」の教科書=共同

三省堂の「英語コミュニケーションⅠ」の教科書で最も易しいものは、現行本と同様、復習ページを充実させた。アルファベットを「なぞって書いてみよう」と促し、街のイラストの中から医者(doctor)や先生(teacher)を探して単語をつづらせる。

子どもの教育支援に取り組むNPO法人「カタリバ」の今村久美代表理事は、こうした教科書の登場を歓迎する。「義務教育の内容でも、高校の教科書に載ると正当な学びと見なされ、子どもが『学び直すのは恥ずかしい』と思わなくなる」からだ。

近年は学校でも民間でも、学び直しを積極的にサポートする動きが広がっていると指摘。「できるようになると自信が付き、勉強以外にも積極的に取り組める。いつでもやり直せる社会にすることが大切だ」と話した。〔共同〕

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