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電車の防犯カメラ、議論半ば 小田急線乗客刺傷事件1年

東京都世田谷区を走行中の小田急線電車で昨年8月、乗客10人が男に刃物で刺されるなどして重軽傷を負った事件は6日、発生から1年となった。国は車内防犯カメラの設置義務化といった対策を検討しているが、対象とする車両や事業者をどこまで広げるか議論は道半ばだ。

事件は昨年8月6日夜、快速急行電車で発生。乗客は密室状態の中、パニックになり、非常用コックで開けたドアから脱出した人もいた。非常通報装置も操作されていたが、乗務員とのやりとりはなく機能しなかった。

殺人未遂罪で起訴された無職、対馬悠介被告(37)は逮捕後に「快速急行は乗客が途中で降りられない。逃げ場もなく大量に殺せると思った」と供述。次の停車駅まで約8分間止まらないタイミングを狙ったとみられる。

昨年10月には都内を走行中の京王線特急電車で、男が刃物で乗客を襲い、ライター用オイルで放火する事件も発生。このときの車両は防犯カメラがなく、迅速な状況把握が課題として浮かび、国土交通省は車内防犯の検討会を設置した。

一連の事件後に国交省が調査した結果、全国の約5万両のうち防犯カメラを設置しているのは4割弱と判明。同省は、新造車両へのカメラ設置の義務化や、非常通報装置の場所や使い方を分かりやすくする運用を対策として掲げた。

検討会では車内の見通しがきく短い編成や、中小事業者も全て対象とすることに必要性や費用面から疑問の声が出たという。メンバーの河本志朗・日本大教授(危機管理学)は「先行事例の紹介や補助金の投入で設置を後押しする方法もあるのではないか」と指摘する。

板橋功・公共政策調査会研究センター長は、スマホ画面に夢中になったり、居眠りしたりする乗客を念頭に「不特定多数が利用する電車内を安全と過信せず、一人一人が周囲に注意を払うべきだ」と話している。〔共同〕

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