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流産の悲しみ、ケア充実を 厚労省が支援強化

晩婚・晩産化の進展で不妊治療を受ける人が増える一方、流産や死産を経験した女性が適切なケアを受けられずにいる現状を受け、厚生労働省が7日までに支援強化に乗り出した。菅政権が掲げる不妊治療支援の一環で、悲しみや喪失感を支える「グリーフケア」を、既存の妊産婦支援事業を利用してきめ細かく実施するよう、自治体に通知した。

専門職によるカウンセリングや当事者同士が体験を分かち合う会の運営などを想定。自治体職員や医療従事者を対象に、妊産婦のメンタルヘルスケア研修も実施する。

通知では、流産や死産を経験した女性も母子保健法上の支援対象であることを明確化。グリーフケアに利用できる既存の事業として①不妊相談②流産を繰り返す不育症支援③出産後1年未満の女性や乳児向けの「産後ケア」④乳幼児とその保護者、妊産婦の利用を想定する「子育て世代包括支援センター」――などを挙げた。

支援に当たっての留意点も明示。乳幼児と同じ場所でケア事業を行うと、子どもを失った女性が精神的に負荷を感じることから適切な配慮をするよう要請した。また、子どもを失った女性に対し、生まれたことを前提とした母子保健サービスの連絡が届いてしまったケースを例示し、自治体内で死産届の情報共有を図るよう求めた。

墓地埋葬法では、妊娠4カ月未満の胎児が亡くなった場合は遺体として扱われないが、通知では「社会通念上、丁重に扱うことが求められる」とし、家族の心情に配慮するよう促した。〔共同〕

グリーフケア 家族や友人など身近な人を亡くした時の深い悲しみ(グリーフ)や喪失感を周囲が支えること。精神的なショックを受けるだけでなく体調を崩すケースもあり、事実の受け止めから日常生活までの復帰への過程で、医療従事者や臨床心理士ら専門職による支援が重要となる。1960年代に米国で始まったとされ、日本では95年の阪神大震災を機に知られるようになった。〔共同〕

喪失感共有できず孤立


流産や死産を経験した女性のケアに取り組む団体に寄せられた相談事例からは、悲しみや喪失感を誰とも共有できずに孤立する母親たちの姿が浮かび上がる。
自治体向けに説明した支援団体の資料によると、母親は子どもを失った悲しみが、他の家族よりも長く続く傾向にあるという。一方で、術後や産後の健診が終わると、医療機関の支援からは離れてしまう。「保健師に『亡くなった』と伝えると、その後連絡が途絶えた」など、行政の継続的な支援が手薄な事例も報告されている。
「悲しみが収まらず、ふとしたきっかけで涙があふれる。自分は異常ではないか」「他人の妊娠や出産を喜べない自分への嫌悪、失望がある」と自身の気持ちに戸惑う人も多い。
一方「夫は『次の妊娠を考えよう』と言うが、そんな気持ちになれない」「仕事に復帰した時どう振る舞えばよいのか」など、家族や他人との向き合い方に悩む声も。
厚生労働省の担当者は「死産届の提出時に、カウンセリングや支援団体を案内するなど、支援が途切れない工夫は可能だ。ケアに当たる保健師らの養成も重要になっている」と話している。〔共同〕

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