SMBC日興役員ら幹部4人逮捕 東京地検、相場操縦疑い
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SMBC日興証券社員らの相場操縦疑惑で、東京地検特捜部は4日、特定の銘柄について人為的に株価を操作する取引をした疑いが強まったとして、執行役員を含む同社幹部4人を金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で逮捕した。同日、東京都千代田区の同社本社を家宅捜索した。
公正な市場の形成を担うべき大手証券会社の幹部が相場操縦容疑で逮捕されるのは異例で、投資家の市場に対する信頼が揺らぎかねない。金商法の相場操縦罪は法人の刑事責任を問う「両罰規定」もあり、特捜部は組織的な関与の有無も調べる。
逮捕されたのは、同社専務執行役員でエクイティ本部本部長のヒル・トレボー・アロン容疑者(51)や同本部エクイティ部部長の山田誠容疑者(44)ら。
逮捕容疑は2019年12月から20年11月にかけ、東証1部上場の企業5社の株式を巡り、株価を不正に安定させる目的で、買い注文を大量に入れるなど不正な取引をした疑い。特捜部は4人の認否を明らかにしていない。
大手証券会社を巡る相場操縦疑惑は、証券取引等監視委員会の強制調査から8カ月余りを経て刑事事件に発展した。特捜部などは押収資料を分析するとともに同社関係者らから引き続き事情を聴き、取引の経緯や違法性の認識などについて解明を急ぐ。

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