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池江選手 夢舞台へ、復活に止まらぬ涙 「今すごく幸せ」

(更新)
女子100㍍バタフライで優勝しメダルを手にする池江選手(中)

ほおを伝う涙が止まらなかった。競泳女子の池江璃花子選手(20)が4日、東京五輪出場を決めた。白血病の公表から2年余り。自他ともに認める奇跡の復活劇だった。「必ず報われる。今すごく幸せ」。たゆまぬ努力で夢舞台の切符をつかみ、新型コロナウイルス禍や病気で苦しむ人々に勇気や希望を与えた。

日本選手権の女子100㍍バタフライ決勝。トップでタッチ板にたどり着くと、感極まった表情でガッツポーズを繰り出し、その後しばらくはスタート台にぶら下がったまま、むせび泣いた。

レース直後のインタビューも涙が止まらない。「自分が勝てるのはずっと先のことだと思っていた。つらくても、しんどくても努力は必ず報われるんだな、と思った。今すごく幸せ」。呼吸を整え、かみしめるようにゆっくりと紡いだ言葉。無観客で静まりかえった会場に震えた声が響き渡った。

「ただいま」。小さくつぶやいて、勝負の決勝が行われるプールに入場した。軽やかに飛び込むと、前半をトップと僅差の2番手で折り返し、得意の後半にすすっと先頭へ。終盤も息切れすることなく泳ぎ切り、見事に1位でゴールした。

2019年2月に白血病が判明。命に関わる大病を患い、目標だった地元開催の五輪出場を一度は諦めた。過酷な治療を経て、大好きなプールに戻ったのが昨年3月。「本当に優勝できると思っていなかった」。自身も周囲も驚くスピードでトップスイマーの座に舞い戻った。

東京五輪女子400㍍メドレーリレーで代表となった池江選手について、日本代表の平井伯昌ヘッドコーチは「年がいもなく感動した」と感慨深げだった。

16年リオデジャネイロ五輪で一緒に戦った男子の入江陵介選手は「本当に素晴らしいレースを見させてもらった。璃花子が日本中を勇気づけたと思う」と称賛した。〔共同〕

諦めない気持ち 全て力に変えた


ノンフィクション作家の長田渚左さんの話 2024年のパリ五輪が現実的な目標と思っていたので、驚くような結果だ。病気判明から2年余りで、ここまで戻ってくるのは奇跡だ。池江さんの持つ身体能力や内面的な強さに加え、夢へ一直線に向かう諦めない気持ちを全てエネルギーにかえたのだろう。
目標を掲げた人間の強さという五輪やパラリンピックが本来持つ力を見せてくれた。病気を抱える人や絶望に置かれている人にとっての光明であり、東京五輪では世界中から拍手を受ける存在になるだろう。〔共同〕
Tokyo Olympic and Paralympic 特設サイトはこちら

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