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「違いが輝く街」共生めざす パラ閉会式、熱戦たたえる

東京パラリンピックの閉会式は5日夜、国立競技場(東京・新宿)で開かれた。テーマは「Harmonious Cacophony(ハーモニアス カコフォニー)」。「調和のとれた不協和音」を意味する。ダンスや演奏などを通じ、パラアスリートたちの13日間の熱戦をたたえ、互いを認め合う共生社会の実現を訴えた。

選手への感謝を表現

閉会式を30分後に控えた午後7時半すぎ、フィールド上に置かれた椅子の大部分が選手らで埋まるなか、楽器演奏が始まった。

五輪・パラリンピックを通じた集大成となる式典。アスリートたちをねぎらう音色が響くと、参加した約3千人の選手や関係者らがスマートフォンのライトを振ったり、踊ったりする姿が目立ち始める。最終日までメダルラッシュに沸いた日本選手団は互いの写真を撮影し合った。

冒頭で登場したのは、障害を乗り越えた選手たちが全力で競技に挑む姿に感化されたという少年。その思いが音楽やダンスに変わり、色とりどりの光とともに東京中に広がる演出が施された。

パフォーマンスを披露したのは全盲のキーボードプレーヤーや右手に障害のある女性ギタリストたち。日本文化の代表格となった格闘・音楽ゲームなどの仮想空間を舞台に、大会期間中、人々を勇気づけたパラリンピアンへの感謝を表現した。

続いて日本国旗を運んだのは、日本勢に最初のメダルをもたらした14歳の山田美幸選手や陸上で2冠を達成した佐藤友祈選手ら6人。五輪で日本フェンシング界初の金メダルを得た男子エペ団体の見延和靖選手も並び、歴史に名を刻んだアスリートたちが充実の笑顔を浮かべた。

各選手団の旗が五十音順に入るのと同時に、競技場内には建物や植物のモチーフで構成する未完成の街・東京が現れた。横たわるスカイツリーに旗手たちが次々と貼り付けたのは「選手たちが放つ輝き」を象徴する鏡だ。

パラリンピック旗、パリへ

開催国の日本は最後に入場、旗手は卓球男子の岩渕幸洋選手が務めた。メダルには届かなかったが、大会前の「パラの魅力を伝えるため最高のパフォーマンスを見てほしい」との思いを胸に、最後の鏡をとりつけて両手を突き上げた。

「すべての人々が自分だけの素晴らしい名前を持っている」。日本のロックバンド「ゴダイゴ」の世界的ヒット曲「Beautiful Name」が場内に流れ、やがてスカイツリーが起こされると、「すべての違いが輝く街」東京が完成した。

街に現れたのは太陽や風、蝶(ちょう)などをイメージした衣装のパフォーマーたち。ばらばらに見える演技で、融合していく街と自然を描き出す。車いすのホイール部分をドラムに変えた楽器も登場した。

五輪とパラでは7万人以上の大会ボランティアが参加。閉会式では自治体のボランティアとともに、その活動をたたえる表彰式も開かれた。

2024年の開催都市・パリへのバトンもつながれた。パラリンピックのシンボルマーク「スリーアギトス」の旗が、東京都の小池百合子知事から国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長を経て、パリ市のアンヌ・イダルゴ市長へ。ルーヴル美術館からの手話を伴った国歌斉唱や、エッフェル塔にはためく大会旗も映し出された。

「インクルーシブな(分け隔てのない)未来への幕開けだ」。パーソンズ会長が閉会を宣言すると、最後を締めくくったのはルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」。平和や調和など、時代を経ても変わらない普遍的なメッセージを込めた歌が響き終わると、多様性を意味する紫色にライトアップされた聖火台のともしびは静かに消えた。

Tokyo Olympics and Paralympics 特設サイトへ

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