旧統一教会の被害者救済法が施行 不当な寄付勧誘を規制
(更新)
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済を目的とした新法が5日、施行された。宗教団体などの法人による不当な寄付勧誘を規制することが柱。勧誘する際に「自由な意思を抑圧しない」といった3つの配慮義務も定めた。不当な勧誘による寄付は最長10年間取り消すことができるようになる。

禁止するのは▽勧誘することを告げずに退去困難な場所に連れていく▽威迫する言動を交える▽霊感などを用いる――といった6つの寄付勧誘の手法。このほか、借金や住居などの資産売却によって寄付資金を調達させることも禁じる。
寄付勧誘時の配慮義務としては、①自由な意思を抑圧しない②本人や家族の生活維持を困難にしない③法人名を明らかにする――を盛り込んだ。
禁止行為によって寄付をした場合は、最長10年間取り消せるようになる。救済対象を寄付者本人だけでなく子どもや配偶者に広げ、生活費や養育費などを確保するために寄付を取り消したり、金銭返還を請求したりする権利も規定した。
国が禁止行為を確認した場合、法人に報告を求める「報告徴収権」を設けたほか、不特定多数の個人が被害を受けた場合などには、法人名を公表することができる。違反を繰り返した場合は1年以下の懲役や100万円以下の罰金の刑事罰を科す。こうした行政措置や罰則の施行日は5日でなく、公布した2022年12月16日から1年以内に政令で定める日となる。
5日施行の改正消費者契約法では、不安をあおって物品購入や寄付をさせる霊感商法の契約取り消し期間を最長10年に延ばした。
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