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熱海の土石流、盛り土崩落が起点か 130棟が流出

(更新)

静岡県熱海市伊豆山地区で発生した大規模な土石流を巡り、県は4日、発生源付近に開発による盛り土が約5.4万立方メートルあり、その大半が崩れ落ちたとの見解を明らかにした。土石流の正確な起点やメカニズムは分かっていないが、「(盛り土があった)最上流部の大規模崩落が被害を甚大化したと推定される」との認識を示した。

県の調査によると、土石流の起点は伊豆山地区の2級河川、逢初川の河口から上流約2キロ。過去の3次元データを基に算定した盛り土の量約5.4万立方メートルのうち、少なくとも5万立方メートルが崩落したとみられるという。起点周辺で流れ出た土砂量とあわせると10万立方メートル程度が崩れたと推計され、熱海市によると、流出面積は12万平方メートルとみられる。

静岡県熱海市で起きた土石流の最上流部=同県提供

川勝平太県知事は4日、現場上流の開発に触れ「記録的な雨が直接的な要因だが、因果関係を検証する必要がある」と述べた。今後、盛り土に関わった事業者や経緯を調査するとみられる。

日本経済新聞が国土地理院の航空写真データを確認したところ、2000年代以降に土石流の起点周辺の山林が伐採され造成が進んでいたとみられることが分かった。

京都大学の釜井俊孝教授は航空写真などを検証したうえで「谷を埋め立てた地盤に雨が降り続き、崩壊につながった可能性がある」と話す。

県や市は4日、土砂に流された建物は少なくとも約130棟あると発表した。市は、被害地域には住民基本台帳ベースで127世帯215人が住み、147人の所在が分かっていないと明らかにした。消防などにはこれまで20人程度の安否の問い合わせがあり、確認を進めている。

菅義偉首相は4日の関係閣僚会議で「人命第一で、二次災害に注意しながら救命・救助、被災者の支援に全力を尽くしてほしい」と指示した。

熱海市は4日朝に災害対策本部会議を開き、斉藤栄市長は「72時間が人命救助の一番大事な時間となる。情報収集などに全力をあげてほしい」と述べた。市は建物被害についてドローン(小型無人機)を使って確認を進めている。

土石流は3日午前10時半ごろに発生。複数回起きて多数の家屋が流され、伊豆山港で女性2人が心肺停止の状態で見つかり、死亡が確認された。

気象庁によると、活発な梅雨前線は北上し、西日本から東日本の日本海側を中心に5日にかけ大雨となるおそれがある。静岡県でも断続的に雨が降っており、5日正午までの24時間予想雨量は60ミリ。

土石流が発生した現場(3日夕、静岡県熱海市伊豆山)=共同

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