春の味覚、イカナゴ漁解禁 大阪湾や播磨灘で
(更新)

瀬戸内海に春の訪れを告げるイカナゴの稚魚「シンコ」漁が4日、大阪湾や播磨灘で解禁された。シンコを甘辛いつくだ煮にした「くぎ煮」は、沿岸地域の郷土料理として知られる。
この日は兵庫県明石市の林崎漁港などから漁船が出発。午前8時25分ごろ同港に帰った船からは銀色に輝くシンコが入った籠が水揚げされた。初競りでは1籠(約25キロ)8万8千円の値が付いた。
兵庫県水産技術センターなどによると、漁獲量はかつては数万トンに上る年もあったが、5年ほど前から2千トンを下回り不漁が続いている。水温の上昇や水質改善により海中の窒素やリンが減少し、餌となるプランクトンが減ったことが一因とみられる。
林崎漁協指導課長の久留嶋継光さんは「今年は平年に比べてとても少ないが、明石の風物詩であるイカナゴをできるだけ多くの家庭に届けたい」と話した。
漁業者は親魚を残すことを考慮した漁獲や、湾・灘(なだ)ごとの解禁日、終漁日の統一などにより資源管理に取り組み、持続可能な漁業を目指す。〔共同〕
【関連記事】