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千年前、房総沖でM8級地震か 未知の大津波の痕跡

千年ほど昔の平安~鎌倉時代に、房総半島沖でマグニチュード(M)8.5程度とみられる未知の巨大地震が起き、千葉県・九十九里浜地域が大津波に襲われた可能性を示す痕跡を確認したとの調査報告を、産業技術総合研究所などのチームが2日付の英科学誌ネイチャージオサイエンス(電子版)で発表した。

震源域は房総半島付近の地下、深さ20~50キロにあるフィリピン海プレートと太平洋プレートの境界の可能性があり、10メートル程度ずれ動くことで海底が変形して津波が発生。海岸付近が断層の動きで沈降し、津波の浸水範囲が広がったらしい。

調査を担当した産総研の沢井祐紀・上級主任研究員によると、これまで巨大地震を想定していなかった領域。沢井氏は「(千年前の地震は)検討されてこなかった新たなタイプの可能性があり、防災面で議論の題材にしてほしい」としている。

鍵となったのは、海岸付近から津波によって運ばれて積もった砂などの痕跡。九十九里浜周辺の約140カ所で専用の器具で地層を抜き取るなどして調べたところ、2回の大津波襲来を示す明確な痕跡が見つかった。痕跡は現在の海岸線から約3.5キロ離れた陸地まで及んでいた。

痕跡の中にごくわずかに含まれる放射性炭素を取り出して、津波が起きた年代を推定。その結果、古い方の津波は記録の残っていない、平安時代から鎌倉時代に当たる800~1300年ごろのものと分かった。

新しい方は、江戸時代の1677年か1703年の津波とみられる。

陸上の痕跡から津波の再現シミュレーションを行ったところ、巨大地震が繰り返し起きている日本海溝や相模トラフではなく、フィリピン海プレートの下に太平洋プレートが沈み込む領域で発生した可能性もあることが明らかになった。

近くの茨城県沿岸には日本原子力発電の東海第2原発などもあるが、九十九里浜地域周辺への津波の広がり方は計算していない。原電は「影響はないと考えるが(研究の)動向を注視していく」としている。〔共同〕

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