自転車の交通事故、死傷者のヘルメット着用1割、警察庁
2022年に全国で起きた自転車に乗った人の交通事故で、死傷者のヘルメット着用率が9.9%(前年比0.1ポイント減)だったことが2日、警察庁の統計で分かった。小中学生に比べ、65歳以上の高齢者は3%台と低迷している。死者の半数が頭部を損傷していた。ヘルメットの着用は改正道路交通法の施行に伴い、4月1日から全年齢で努力義務になる。罰則はない。
各地の警察は、利用者に着用を促すよう自転車販売店に依頼するなど広報・啓発活動を推進。警察庁は、東京都など一部の地域で利用者の着用率を調査している。
警察庁によると、22年の死傷者は6万8140人で、ヘルメットを着用していたのは6717人。
現行の道交法は、13歳未満の子どもが自転車に乗る際、ヘルメットを着用させる努力義務が保護者にあると規定している。この努力義務は08年から始まった。
22年の死傷者の着用率を各世代で見ると、小学生が25.0%、中学生が39.1%。高校生になると7.5%と下がり、65歳以上の高齢者は3.6%だった。近年、小中学生は数ポイント〜10ポイント程度の上昇傾向が見られるが、65歳以上は2、3%台の横ばいで推移している。
警察庁の露木康浩長官は2日の定例記者会見で、自転車と歩行者が絡む事故の死傷者数が高止まりしている状況を指摘した上で「改めて交通ルール順守の徹底を図る必要がある」と述べた。〔共同〕