見ずに見るという見方 写真家・鷹野隆大
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のっけから尾籠(びろう)な話で恐縮だが、いつの頃からか、トイレは私の読書部屋となっている。あの手持ち無沙汰な時間から逃れようと、何となく買ってきた新聞や雑誌を時々持ち込んで読んでいたら、いつの間にかクセになっていた。最近ではトイレで読むために買うようになっている。
ところが昨年末、バタバタするうちに読むものが完全に尽きてしまった。困った私は、読みかけのまま放置していた『東海道中膝栗毛』(十返舎一...
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