/

楽団など困惑 入国停止で指揮者・奏者に代役、休演も

(更新)

新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」の急拡大で、政府が外国人の入国を原則停止したことを受け、音楽や演劇などの団体が対応に追われている。クラシック音楽界では、年末恒例のベートーベン「第九」の公演に影響が出そうだ。

「第九」にも影響

新日本フィルハーモニー交響楽団は17~20日の第九公演に、オーストラリア出身の指揮者シモーネ・ヤングを招く予定だったが、入国停止措置を受けて代役を調整している。ヤングは2019年末のNHK交響楽団の第九を指揮し、熱演を繰り広げた。今回もファンの注目を集め、チケットの売れ行きは好調だった。新日本フィルの担当者は「最近は感染状況もやや落ち着き、お客さんの期待も高まっていたところだった」と話す。

N響の第九公演は22日に正指揮者の尾高忠明、25、26、27日に次期首席指揮者のファビオ・ルイージが指揮する予定だったが、全公演を尾高が指揮する。ソリストも全員日本人となる。

読売日本交響楽団は、18~24日の第九6公演の指揮者アレホ・ペレスの代役を調整している。そもそも当初はイタリアの指揮者フランチェスコ・アンジェリコが振る予定だったが、入国できない見通しとなったため欧州の歌劇場で活躍するペレスを代役にあてていた。入国停止によって「代役の代役」を迫られた形だ。

読響は9日に予定されていたドイツ在住の指揮者・ピアニストの上岡敏之と楽団メンバーによる室内楽公演を中止にした。水際対策の強化により、帰国する日本人の待機期間も最短3日間から14日間に伸びた。上岡は2日に帰国予定だったが取りやめた。久々の日本での公演はかなわなかった。

一方、東京交響楽団が28、29日に催す第九公演は、既に入国している音楽監督のジョナサン・ノットが予定通り指揮する。いったん欧州へ戻り再来日する計画だったが、日本滞在を延長することにした。

先行き見通せず

バレエでは、12月中旬から2022年1月はじめまで東北、関東、近畿などを巡る予定だったウクライナのキエフ・バレエのチケットが販売停止になっている。主催する光藍社は対応を協議中だという。

ミュージカル界からは、来年の公演への影響を懸念する声が上がっている。22年は数多くの大型公演が計画されており、その準備のため、海外スタッフが年末年始に来日するはずだったという主催者は多い。それが見直しを迫られるほか、今回の入国停止が長引けば、22年1月からいくつかの公演の開催が危ぶまれる。

洋楽コンサートの主催者も対応を急ぐ。英国のロックバンド、キング・クリムゾンは、外国人の入国が停止される前に既に来日してツアー公演中だった。2日以降の公演も予定通り実施する見込みだ。

同公演を企画するクリエイティブマンプロダクションによると、同社では今回の入国停止措置に伴う中止・延期公演はまだ発生していないという。宣伝部の担当者は「発表がなされたばかりで、具体的な影響や取り得る措置については今後関係省庁とも確認をしながら判断していく。入国制限の解除の時期によっては影響が出る可能性もあるが、現時点ではまだ何とも言えない」とコメントした。今後は、当面1カ月とされている入国停止の期間がいつまで続くのかが焦点となりそうだ。

【追記】
ベートーベンの「第九」公演について、新日本フィルハーモニー交響楽団は2日、鈴木秀美が代役として指揮すると発表。読売日本交響楽団も同日、ジョン・アクセルロッドが代役を務めると発表した。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

新型コロナ

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

ワクチン・治療薬 休業・補償 ビジネス 国内 海外 感染状況

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン