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令和なコトバ「陸上寿司」 野菜や肉など非魚介のお寿司

誰もが知る流行語なき時代の新語を採掘し、世の中を知る「令和なコトバ」。今回のお題は「陸上寿司」です。マヨネーズであえたコーンなど、ネタに魚介類を使わない寿司(すし)をこう呼びます。まわるお寿司のお子様メニューと思いきや、意外に大人にも……。ライターの福光恵さんが〝名付け親〟に聞きます。

オリンピックはマラソンなどの陸上競技で、いよいよクライマックスへ。一方、こっちの陸上も盛り上がっている。寿司界の陸上、「陸上寿司」だ。寿司ネタと言えばマグロやサーモンなど魚介類が王道だが、こちら野菜や肉、卵などをネタにした、非魚介類の寿司のことをこう呼ぶ。

◇          ◇

かつては「ニセ寿司」「お子様寿司」「ザコ寿司」などと呼ばれ、おミソ扱いされてきた非魚介系の寿司だが、今は回転寿司店でけっこうなスター選手に。古くからある玉子の握りや納豆巻き、かんぴょう巻きから、マヨコーン軍艦や牛肉握り、チーズ握りなどの新顔まで、メニューの幅も広がっている。

イラスト 江口修平

寿司ネタでは「マヨコーンが一番好き」という作家の岸田奈美さんが発起人となり、陸上寿司の地位向上を目指す「陸上寿司愛好会」というインターネット上の愛好会も、21年5月に発足。そもそも「陸上寿司」のネーミングも、そのときに岸田さんが「思いついた」ものだそうだ。

「これまで恥ずかしさを感じながら注文していた人も多い、いわばマイナスからの出発。ところが発足から約1カ月で、1000人もの人が名乗りをあげてくれた。その反響に驚きました」(岸田さん)

ちなみに同会では、魚介系の寿司を「海中寿司」、原料は海産物だが、「陸で著しく加工された状態で寿司屋に納入されるツナサラダ、カニサラダなど」の寿司は「水陸両用寿司」などと呼んで、陸上寿司に認定するかどうか、現在愛好会で審議入りしているという。

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ここでカミングアウトさせてもらうが、実は生魚が苦手な自分も、古くからの陸上寿司愛好家。回転寿司店では、何度も回ってきて変色しかけたマヨコーン軍艦をリピートするのがいつものパターンだった。そのうち「小学生の好きな寿司ネタナンバーワンはサーモン」というニュースが流れ、子ども向けとされていた陸上メニューの存続を心配したことも。

ところがどうだろう。陸上寿司はなくなるどころか、かえってステータスがアップ。なんだ、結局は大人に愛されていたメニューみたいで。

大手回転寿司チェーンのメニュー(季節限定品をのぞく)を調べてみたところ、陸上寿司に当たるものは意外に多く、4社平均で20%前後。マヨコーンのコーンを店内でゆでたり、肉はもちろん納豆のブランドにまでこだわる回転寿司店なんかもあった。

と、ここまで「マヨコーン」と4回打ったところで、生つばが……。大手を振ってマヨコーン軍艦をレーンからピックしに、回転寿司店行ってきます!

(福光 恵)

「令和なコトバ」は毎週木曜日に掲載します。

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