死の尊厳描く「すべてうまくいきますように」 映画評7本
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ラインアップ 「すべてうまくいきますように」「FALL/フォール」「茶飲友達 」「君に幸あれよ 」「 彼岸のふたり」「スクロール」「バイオレント・ナイト」
すべてうまくいきますように
尊厳死、クールに潔く 中条省平(映画評論家)
昨年秋、ジャン=リュック・ゴダール監督が幇助(ほうじょ)による自殺を遂げて世界に衝撃を与えた。ゴダールが亡くなったスイスでは、治癒不能な苦痛を断つための安楽死だけでなく、自分の死の尊厳を保つために自殺幇助を受けることが合法なのだ。本作は、父の自殺を幇助しようとした娘の実話の映画化である。
小説家のエマニュエル(ソフィー・マルソー)は、85歳の父(アンドレ・デュソリエ)が脳卒中で倒れたと聞き、病院へ駆けつける。命の危険はないが、体が麻痺(まひ)し、そのまま入院することになる。...
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