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化学者と音楽家の交友が奏でる「音色」 記録映画に

ドキュメンタリー映画「分子の音色――A scientist and a musician」(杉本信昭監督、54分)が10月16日から東京都中野区のポレポレ東中野を皮切りに、各地のミニシアターで上演される。

世界的な有機化学者の中村栄一(東京大学特別教授)と古楽器奏者、渡邊順生(よしお)は中学、高校の同級生。昨年8月、2人は70歳を記念して、長野県の蓼科で小さな演奏会を開き、中村が大好きなバロックフルート、渡邊が国際的に評価されているチェンバロでバッハの「フルートと通奏低音のためのソナタ」を奏でた。そして来し方を淡々と語り合うのだが、その面白さに引き込まれる。

2人が通った学校は全国有数の進学校だが、個性を尊重する自由な校風だった。高校3年生だった1969年、学園紛争の余波で受験するはずの東大の入試が中止になる。

2人は別々の大学に進学して、卒業後は目指す進路をまっしぐら。蹉跌(さてつ)や回り道もあったが、自分で決めた好きな道をマイペースで進んでいく。奥さんたちの愉快な証言も交えて、人生行路を飄々(ひょうひょう)と振り返る。

製作したモンタージュ(東京・世田谷)プロデューサーの小松原時夫さんは「周りに流されて人生の進路を自分で決められない人たちを勇気づけるメッセージになるはず」と話す。同社は詩人の谷川俊太郎のドキュメンタリーもいくつかつくっているが、「今回の作品は谷川先生にも褒めていただいた」という。

杉本監督は市井の人々の純粋な生き方を追う作品を手がけている。「おふたりとも私からは遠い存在だと思ったが、話を聞くと市井の人たちと同じく純粋で真っすぐ。その言葉や生き方には時代を超えた普遍的な価値がある」と話している。

(中沢義則)

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