貴婦人の装い(2) フランソワ・ブーシェ「ポンパドゥール夫人」
日本女子大学教授 内村理奈
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17世紀から18世紀にかけて、フランスの洒落者(しゃれもの)たちは男女ともに、小さな色とりどりのリボンに熱中していた。17世紀には特に男性が(!)、そして18世紀になると女性たちが、髪の毛やドレス、靴の装飾にまで、リボンを飾ることを好んだ。
なかでも、とりわけリボンをふんだんに盛りつける場所としては、胸当て(フランス語ではピエス・デストマ)があった。これはコルセットの前部を覆っている装飾布である...