合わせる 小説家・高瀬隼子
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置かれた場所で、求められている態度や人格を読み解いて合わせることができる人は、大勢いるだろう。好き好んでそうするというよりは、できてしまうからやってしまうのだ。
わたしも、郷に入っては郷に従うのが得意である。良く言えば柔軟で臨機応変、率直に言えば確固たる自分がなく、八方美人なので、へらへら笑って周りに合わせられる。それが苦手ではない。嫌いではあるが。好き嫌いにかかわらず、こなすことはできる。
あ...
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