あの素晴しい愛をもう一度 精神科医 きたやまおさむ
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アイラブユーは日本人なら「月が綺麗(きれい)だね」と言うとする説は実に鋭い。出所は英語教師だった漱石だという噂がある。
「美しいもの」を共有しながら愛(め)でるのは恋人同士だけでなく、親子でも多い。雪見、紅葉狩り、お花見、花火と、私たちは同じものを一緒に眺めるのが大好きなのだ。
映画の小津安二郎監督は、日本人の情景を撮り続けたが、中に横並びの複数の人間が同じ方向を凝視する場面が度々出てくる。名作...
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