/

この記事は会員限定です

コロナ禍のフジロック 音楽と感染対策両立、苦渋の細道

[有料会員限定]

国内最大級の野外音楽イベント「フジロックフェスティバル」が20~22日、新潟県湯沢町で2年ぶりに開かれた。フェス人気をけん引してきた夏の風物詩の復活は、苦境にあえぐ音楽業界にとって希望の光となった一方、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況での開催は多くの課題を浮き彫りにした。

1997年に始まったフジロックは大自然の中で世界のさまざまな音楽を楽しめるイベントとして人気を集めてきたが、今年は初めて国内アーティストだけでの開催となった。酒類の販売や持ち込みを禁止したり、来場者に新型コロナの抗原検査を求めたりする感染防止対策をとって開かれた。

湯沢町観光商工課の担当者は「宿泊や飲食などの経済効果が大きく、コロナでさまざまな業界が打撃を受けているなか、重要なイベントだ」と話す。「コロナ禍でなぜ人を集めるのかという意見の一方、このフェスがないと食べていけないという声もあった。地元には主催者が感染対策を徹底していることを説明してきた」。警察・消防や商工会など地元関係者と主催者側での協議の場を複数回設けたという。

一方で、コロナ禍での開催を疑問視する声がSNS(交流サイト)上で相次いだほか、出演を辞退するアーティストもいた。チケットをとったが、やむなく来場を断念した人も多かっただろう。少しでも不安がある人が参加を控える選択をとれるように、今年は開催期間中でもチケット払い戻しを受け付けた。

来場者数は3日間でのべ3万5000人程度となったもようで、例年の3分の1を下回る。ステージ数も減らし終演時間も早めた。会場行きのシャトルバス乗車や入場には検温が必須で、体温が37・5度未満であることを確認し手指を消毒したことを証明するリストバンドをつけなければならない。観客は常にマスクをつけて、その場で体を揺らしたり跳んだりしながらライブを楽しんでいた。歓声を上げたり騒いだりする人はほとんど見受けられなかった。

客席の前方エリアでは人と人との距離を取るための目安として、地面に1㍍ほどの間隔で黄色い印が設けられた。後方からは混雑しているように見えても、実際に立つと少なくともすし詰めのような状況ではない。ライブ中でも見回りのスタッフが客とぶつからずに通行できるぐらいの余裕があった。2日目は一時土砂降りとなり、唯一屋根のあるステージ「レッドマーキー」が大混雑するのではないかと心配したが、入場規制のおかげか混乱は見られなかった。

ただ地面の印は、テープを貼りスペースを区切る方法に比べて立ち位置が分かりにくい印象だ。複数人で来場している観客が寄り添っている場合もあり、密度が高まりがちだった。感染力が強いとされるインド型(デルタ型)がまん延するなか、印の距離をより空けたり、1つの印につき1人で立つことを徹底したりすることが必要ではなかっただろうか。ステージ終了後の移動の際に混雑が生じていたのも気がかりで、案内に従って順に出て行く規制退場をすべきだったと感じる。...

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1011文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン