「フユシャク」、冬に活動する風変わりな蛾の生態追う
中島秀雄(元中学・高校教諭)
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冬の間、多くの昆虫は人目に付かない。卵や幼虫、サナギに成虫と様々な形でじっと寒さに耐えている。だが寒空の下で活発に動き回り、繁殖活動をする蛾(が)がいる。フユシャクガ(冬尺蛾)だ。私は60年、この変わった蛾を追いかけている。
フユシャクは分類学上の名前ではない。幼虫がシャクトリムシと呼ばれるシャクガの中で、晩秋から早春にかけて成虫が出現するものだ。さらに雌の翅(はね)は欠けるか縮小し飛ぶことがで...