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村上春樹さん単独インタビュー「ポジティブに語りたい」

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小説「ノルウェイの森」「1Q84」などで世界中にファンを持つ作家・村上春樹が単独インタビューに応じた。出演するラジオ番組への思い、疫病が世界を覆う今だからこそ「ポジティブなものを作り提供する」芸術の責務などを語った。

2018年8月からDJを務める「村上RADIO」(TOKYO FM、全国ネット)は、公の場にあまり姿を現さない作家の印象を一変させた。自ら音楽を選び、自分の言葉で語る。4月から念願だったレギュラー化(毎月最終日曜、夜7時。次回は6月27日放送)もかなった。

「しゃべるのは得意じゃないと思って、ものを書く以外の仕事はしなかった。でも外国で講演したりしているうちに慣れてきて、試しに(DJを)やってみたら割にすらすらしゃべることができた。それで『じゃ、やろうか』と。僕はレコードコレクターで1万5000枚ぐらい持っている。『こういう音楽があるんで、聞いてください』という感じで企画を出していたら、どんどんアイデアが出てきた。2、3年分の番組が(自分の中では)もうできている」

「ほとんど趣味です。僕は文学的環境の中にいたからラジオ局に来るとちょっと変わった人がいっぱいいて、雰囲気が違うし面白い。年の半分ぐらいは外国にいたので、(新型)コロナ(ウイルスの流行)がなければレギュラー化は難しかった。日本にずっといるということもあって月に1度ぐらいならできるかなと。月イチ以上だとものを書く仕事ができなくなっちゃう。本当は週に1度ぐらいやりたいんだけど」

ラジオは「親密でパーソナル」なメディア

かつてジャズ喫茶を営み、今も音楽のリズムで文章を練る。そんな村上はスタジオにターンテーブルを持ち込み、レコードに針をのせる。DJの伝統を継承しつつ、現代らしい番組を探る。

「今はインターネットでいくらでも聴きたい音楽を聴ける。(ラジオに)リクエストする意味はほとんどないんです。送り手が自分で音楽を選んでかけるセレクトショップのようなものの方に意味があると思う。だから原則としてリクエストは取らない。僕の書斎に来て音楽を聴いてもらうような親密な感じを出したい。他の番組ではかからない音楽をかける、というのがポリシー。それから僕自身がもちろんそれ(音楽)を好きなこと、というのが(前提として)あります。3回に1度は『こんなものがあったのか』と(リスナーを)驚かせたい」

「僕がラジオを好きなのは一人ひとりがパーソナルに聴き、それが集合している、という雰囲気なんです。テレビやインターネットとは全く違う。昔は同じ時間に(リスナーが)皆、ラジオの前に座って聴いているという感じだった。今は同時的という感じは減ったが、それでもやっぱり一人と一人で向き合っている感じがする。仕事や食事の支度をしながらでも聴ける。親密でパーソナルな感じが気持ちいいんですよね」...

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