四元康祐「詩探しの旅」現在に直結する「戦時下」
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ストゥルガ詩祭では、ニコラやアミールのほかにも懐かしい顔があった。スロベニアの詩人、ブラネ・モゼテッチもそのひとり。彼は10年ほど前に詩人たちの相互翻訳ワークショップに僕を招いてくれた。
「やあ、久しぶり」と肩を抱き合うと「カズコは元気にしているか?」と尋ねてきた。そうだ、あの時は白石かずこも来ていたのだった。
1958年生まれのブラネは詩人、フランス文学翻訳者、詩書出版者にして詩祭主催者、そし...
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ドイツに長く住み、世界の詩祭を巡ってきた四元康祐さんのエッセー「詩探しの旅」。詩人たちとの魅惑の出会いや詩のエッセンスをバックナンバーでお楽しみください。