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宝塚雪組「夢介千両みやげ」 方言全開、異色のヒーロー

「これも道楽修行だべ」――。宝塚雪組のトップスター、彩風咲奈(あやかぜ・さきな)が、のろまでお人よしの主人公を好演している。全編を通してなまり全開の三枚目は宝塚では異色のヒーローだが、おおらかで自然体の人物造形にひきこまれる。

「夢介千両みやげ」は山手樹一郎の同名時代小説を、石田昌也の脚本・演出で舞台化した。江戸時代、小田原の庄屋の息子、夢介が父親から「通人になれ」と千両を持たされ、江戸へ「道楽修行」に向かう。次々と降りかかる騒動を優しさと金で解決していくさまが痛快だ。女性が恋に落ちる場面で七色の光を飛ばすなど、ベタな演出には昭和喜劇の雰囲気が漂う。

彩風が演じる夢介は小田原弁のぼくとつとした男性で、包容力と優しさが魅力だ。トップ娘役の朝月希和(あさづき・きわ)は、金を盗まれても「面白い芝居を見せてもらった」と笑う夢介に心引かれるスリのお銀役で、気の強さを表現した。男役2番手の朝美絢(あさみ・じゅん)は遊び人で知られる飛脚問屋の若旦那。華やかな美形がぴたりとはまり、「なんせこの顔、この器量、もてて、もてて、しょうがない」と歌い上げて笑いを誘う。

後半のショー「Sensational!」(作・演出、中村一徳)では、長身を生かした彩風の切れの良いダンスが堪能できる。前半の芝居とのギャップで彩風の魅力が多面的に味わえるプログラムだ。銀橋に次々とダンサーが現れる演出はめまぐるしいが、それぞれのファンにはうれしいサービスだろう。東京宝塚劇場(東京・千代田)で6月12日まで。

(佐々木宇蘭)

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