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コロナワクチン接種4回目 既存品か最新待つか?

ナショナルジオグラフィック

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免疫を回避する新たなオミクロン型のBA.4とBA.5系統が支配的になる中、新型コロナウイルス感染症は、今も米国各地で多くの人々を苦しめている。年齢が高い人ほど、現行のワクチンによる予防効果が下がることを懸念する専門家らは、ブースター接種を受けるよう推奨している。

現行ワクチンのブースター接種の効果はすでに証明されている。2021年の冬に米国で流行した従来のオミクロン型BA.1系統による重症化例は、ブースター接種のおかげで大きく減った。6月28日に行われた米食品医薬品局(FDA)の独立委員会で共有されたデータは、ブースター接種が今でも、以前と同程度とまではいかずとも、BA.4とBA.5系統による重症化の抑制に貢献していることを示している。

このデータを根拠として、独立委員会は、秋の完成を目指して開発されている最新のブースターワクチンに、オミクロン変異株に対応する成分を含めることに賛成した。同委員会の提言を受け、FDAはすでにワクチンメーカーに対し、新たなブースターワクチン候補にBA.4およびBA.5に有効な成分を含めるよう正式に勧告したと、FDA生物製剤評価研究センター所長のピーター・マークス氏は述べている。

新たな勧告が数カ月ごとに出される状態が混乱を招いているのはたしかだが、その背景には、新たな発見がもたらされるたびに、科学者らがリアルタイムでウイルスについて学んでいるという事情がある。「絶えず動いているものに追いつこうと、彼らは常に努力を続けているのです」と、米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院の疫学准教授カウザー・タラート氏は言う。

新型コロナの重症化から自分の身を守るために、わたしたちに今できることはなんだろうか。4回目のワクチン接種を受ける必要はあるだろうか。それとも、秋に登場する新しいブースターワクチンを待った方がいいのだろうか。専門家の意見を以下にまとめた。

4回目の接種を受けた方がよいのはどんな人?

米疾病対策センター(CDC)は、2022年3月、前回のブースター接種から少なくとも4カ月たっている50歳以上の人々に対して、2回目のブースター接種(ファイザーあるいはモデルナ)を受けるよう推奨を開始した。年齢が上がるほど、抗体のレベルが下がるスピードは早くなる傾向にあり、ワクチン接種後であっても重症化や入院の可能性が高くなるためだ。

CDCはまた、12歳以上で免疫系の機能が低下する特定の病状を持つ人たちに対しても、2回目のブースター接種を推奨している。この層に含まれるのは、臓器移植を受けた人、未治療あるいは進行したHIVに感染している人、血液がんの治療を受けている人、特定の免疫不全疾患を持っている人、ステロイドなどの免疫抑制剤を服用している人などだ。

50歳以上の人たちが受ける2回目のブースター接種とはつまり、計4回目のコロナワクチン接種となる。

ブースター接種を受ける人の規定があるのはなぜ?

CDCが2回目のブースター接種の対象者を設定しているのはたしかだが、専門家らは、年齢や医学的ガイドラインには柔軟に考える余地があるとしている。基準を満たしている人が、2回目の接種はまだ必要ないと判断する場合もあれば、厳密には対象者に含まれない人が、ブースター接種による恩恵を受けるケースもあるだろう。

「心臓や肺の疾患、糖尿病などの重大な基礎疾患がある人については、個別に判断する必要があります」と語るのは、米バンダービルト大学の予防医学と感染症の教授ウィリアム・シャフナー氏だ。50歳未満でこうした条件に当てはまる人は、医師に相談して、追加のブースター接種を早めに受けるかどうかを決めてもよいだろうと氏は述べている。ウイルスにさらされるリスクが高い環境で仕事や生活をしている人も同様だ。

さらに言えば、50歳を超えたら必ずブースター接種を受けるべきであるという考え方に、すべての専門家が賛成しているわけではない。

「50歳以上の人が一律にブースター接種を受けるというやり方には意味がないと、わたしは思います」と語るのは、フィラデルフィア小児病院感染症部門の小児科教授ポール・オフィット氏だ。

70歳以上の人たちへの接種に意味があるのは、免疫系の衰えによって、軽症の感染が中等症や重症へと進むのを食い止めるのが難しくなるからだと、オフィット氏は言う。しかし、自身も71歳のオフィット氏は、ブースター接種を1回しか受けていない。最近新型コロナに自然に感染したことに加えて1回のブースター接種を受けているため、最大限の防御はできていると、氏は感じている。

6月28日の委員会で公表されたデータは、過去6カ月以内にオミクロン型への感染歴がある50歳以上の成人は、すでに追加のブースター接種から得られる以上の免疫を持っていることを示している。

ブースター接種を今受けるべきか、秋まで待つべきか?

一方、ジョンズ・ホプキンス大学のタラート氏は、もし対象者に入っているならすぐにブースター接種を受けるべきだと語る。「よりよいワクチンを待つ必要はありません。その間、自分自身を弱い状態で放っておくことになるからです」とタラート氏は言う。「今受けられるブースターを受けておけば、秋には、より広範な防御を提供してくれる再度のブースター接種を受けられる機会があるでしょう」

しかし、最新のブースターワクチンの登場が10月に見込まれる中、年齢や健康状態にかかわるリスクが高くなければ急ぐ必要はないと、タラート氏は言う。「50歳以下で、重症化のリスク要因がなく、中等度から重度の免疫不全を持っていない場合、つまり健康で、1回目のブースター接種を受けている場合には、待ってもよいでしょう」

接種を待つべきもう一つの理由は、米国では秋にはウイルスにさらされる現実的なリスクが高まるかもしれない点だ。秋には新学期が始まり、また人々が屋内で過ごす時間が長くなる。これらはいずれもウイルスへの曝露(ばくろ)と感染のリスクを増加させる。追加のブースター接種によって得られる抗体の増強効果は、わずか1〜2カ月で衰え始めるため、接種を受けるのは必要性の高いときがよいと、タラート氏は言う。

それでも、最新のブースターワクチンが、その時点で流行しているウイルスに対してどの程度有効かはまだわからない。

オミクロン型BA.1に有効な成分を含むブースターワクチンは、BA.1を中和する抗体を1.75倍に増加させることが確認されている。しかし、BA.1はすでに米国では流行しておらず、FDAに提出されたデータは、こうしたブースターワクチンはBA.4およびBA.5の感染予防に対してほとんど効果がなかったことを示している。

「変異株対応」ワクチンは開発されるのか?

「変異株対応(variant-proof)」のブースターワクチンの開発は、現状では可能ではないとタラート氏は言う。なぜなら、ウイルスの進化がきわめて早いからだ。タラート氏やシャフナー氏などの専門家はむしろ、新型コロナのブースター接種はいずれ、インフルエンザの予防接種のように毎年行うものになっていくだろうと予想している。

「われわれはワクチンを毎年更新し、すべての人にインフルエンザの予防接種を年に一回受けるよう推奨しています。これによって、完璧ではなくとも最大限の予防効果が得られます」とシャフナー氏は言う。氏はまた、年に一度の接種で済む、インフルエンザと新型コロナの両方を予防するワクチンの開発に取り組んでいると付け加えている。ただし、これが実現するのは少なくとも1年以上先のことだ。

4回目の接種はコロナ後遺症のリスクを減らす?

最近の一連の研究では、現行のワクチンがコロナ後遺症の予防にどれだけの効果があるのかについて、相反する結果が出ている。こうした混乱の原因のひとつは、コロナ後遺症の明確な定義が存在しないことだ。

一部の研究では、ワクチンがコロナ後遺症のリスクを大幅に減らすことが示されている一方で、その効果はさほど大きくないとする研究もある。コロナ後遺症の基準についての合意が形成されるまでは、明確な答えを得るのは難しいだろう。しかし、効果がどの程度なのかを測るのは難しいとしても、ワクチン接種にはある程度の予防効果が期待できると専門家は言う。

「重症化した場合には、そうならなかった場合よりもコロナ後遺症を発症する可能性は高くなります」とオフィット氏は言う。「ワクチンの接種をすべて済ませていれば、コロナ後遺症になる可能性は大幅に低くなるでしょう。なぜなら、重症化の可能性が大幅に低くなるからです」

文=TARA HAELLE/訳=北村京子(ナショナル ジオグラフィック日本版サイトで2022年7月14日公開)

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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