ある編集者の挑戦 小説家 桜木紫乃
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新人賞でデビューしてから今年で20年になる。そんなに経ったか。そういえば皺(しわ)も増えたしウエストも消えた。毎日どこかが痛いわけだ。
家にこもって子育てをしていただけの人間が、小説家の看板を上げるまで、編集者との出会いは切っても切れないネタの宝庫だ。30代、お互いに活きが良くて押しが強い時期、闘いに似たやりとりも少なからずあり。腰をさすりさすり原稿を書く日々がやってくるなんて、私たちはなんて幸...
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